本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

歴史ミーハー

東京駆け足散歩1 旧江戸城の石垣

昨日、東京九段の病院を受診したついでに皇居周辺を歩いてきた。天気が良ければ皇居を一周歩こうと考えていたが、小雨交じり。東御苑を通って二重橋まで行ったら戻ろうかなと思いつつ、もう1/3くらい歩いているからやっぱり歩いてしまおうと決意。7km弱の散…

大阪アースダイバー/中沢新一

東京の歴史と地形の関わりを掘り起こし、縄文海進期の岬にあたる部分が現在の聖域になっているとしたのが「アースダイバー」http://d.hatena.ne.jp/suijun-hibisukusu/20080908/p2。その考え方を敷衍して、大阪の精神性を地形と古代史から論考したのが本書で…

お会式のポスターに思う

鎌倉の日蓮宗寺院に貼ってあったお会式のポスター。日蓮宗系の私立高校を卒業しているので、この時期には学校ぐるみで本門寺のお会式に参加させられていたのを思い出す。登校後に朝一で移動し(池上線で大崎広小路から池上)、そのまま解散なので、何やら得…

古いアルバムと上野城

津波で家が流されてしまった親戚のため、古い写真を掘り起こしている。古いプリントはスキャナで取り込まなければならないが、取り込む過程で劣化したり、見た目には分からないキズやホコリがかなり際立ってしまったりで、ちょっとした補正が必要だ。二十年…

世界・わが心の旅 中国 水滸伝・任侠の夢/平岡正明

「世界・わが心の旅」は以前にNHK-BSで放送していた紀行ドキュメンタリーで、著名人が思い入れのある地を訪ね、思索的な旅をするスタイルが興味深かった。この水滸伝の回は見逃したような気がするが、登場した旅人自身が筆を執り、出版物としてもシリーズ化…

「気は優しくて力持ち」であれば・・・

相撲界が野球賭博騒動で揺れている(ようだ)。というより、マスコミが大騒ぎしているのか。 薬物のように深刻な社会問題となる訳でもなく、被害者がいる訳でもない。それでも、賭博組織との関わりは、私的な胴元を許さない法律と、「国技」とか「品格」とか…

葛飾北斎の娘・應為

「おんな北斎 天才浮世絵師は、二人いた!」という番組を見た。推測や再現ドラマを交えながら、葛飾北斎の娘・お栄(画号は葛飾應為(かつしかおうい))に焦点を当てたものである。 http://www.ytv.co.jp/hokusai/お栄は「百日紅/杉浦日向子」や「応為坦坦…

日蓮

鎌倉・妙本寺(比企邸跡)に建てられている日蓮像。新しいものだと思うが、高さ5〜6mのあたりから回りを睥睨している。眉太く、目は大きく、鼻梁の高い意志の強そうな顔は縄文人的に思えるがどうだろう。千葉の生まれだから、南方系の祖先が黒潮に乗って…

東慶寺散策

檀家になっている寺で施餓鬼供養があり参加。仏教を信仰している訳ではないのだが、大勢の僧侶による読経(大迫力!)を聴けるのは宗教体験として興味深い。やはり宗教と芸能は同根だなぁと思う。時にはスピリチュアルな感慨にふけるのも悪くない。散会して…

日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」/網野善彦

鋼鉄式日記を拝読して関心を持った。この本は未読だったが、網野史学には以前から興味があるのだ。中世の非農耕・非定住の金融商工芸能宗教などに携わる人々の姿を掘り起こしてきた網野善彦だが、雑誌に寄稿したものや講演録などを編集し、網野史学を分かり…

ヴォーリズ建築

本日のNHK教育−日曜美術館はヴォーリズ建築を採り上げていた。W・M・ヴォーリズは明治末に来日した宣教師であり、建築家であり、福祉事業家であり、実業家でもある。近江八幡に多く残されている瀟洒な洋館建築については旅番組で見たことがあったし、伝…

東京駆け足観光その2 招き猫の元祖・豪徳寺

帰路は国道246経由で世田谷方面へ。古刹・豪徳寺が招き猫の元祖であるという話を何かで読んだことがあり、奉納されている招き猫が可愛かったので是非とも拝観したいと思っていたのである(「招福猫児由来」は文末に拙文にて)。何でも、井伊家の主が豪徳…

思い出の保存には金がかかるのだ

丸の内にある東京中央郵便局の再開発に総務大臣が抗議していた件は、保存部分を多くすることで決着したようだ。東京駅周辺の歴史あるビルの再開発で、古い建物の基部だけ残して超高層ビルを据え付けたデザインがあるが、あれは墓石のようで醜悪きわまりない…

魔方陣と曼陀羅

朝日新聞の「ひと」は、タイムリーな話題の人や、目立たないながらも業績を上げている人などを採り上げる人物コラムだが、正月に掲載されていたのは阿部楽方という「魔法陣の超人」だった。魔法陣(ウィキペディアによると魔方陣が正しいらしい)とは正方形…

遊行寺

上記ブログで昨年もネタにしていますが、藤沢にある遊行寺(時宗本山)の銀杏を見に行ってきました。もう散ってしまっているかもと思いましたが、少し透けたくらいで残っていて安心。樹齢数百年という大きな銀杏で、とても迫力がありますが、写真ではその迫…

報国寺 庭園

鎌倉の報国寺は竹寺として有名である。200円の拝観料を払うと竹林の中を散策できるが、幽玄な雰囲気を味わえて実に心地よい。この値段なら実にリーズナブルだ。上の画像は竹林の写真としてありがちな構図だが、色合いにもう少し緑っぽさが欲しかった。自…

石仏と秋海棠

この寫眞は鎌倉の報国寺で写したもの。竹林の庭園で有名だが、順路の途中にあった石仏と秋海棠がいい感じだったので撮影。後ろの方がぼけているので、もう少し被写界深度を深くした方が良かったのかも知れない。明るめに補正してみて気付いたのだが、○○禅門…

江戸の繁盛しぐさ こうして江戸っ子になった/越川禮子

江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)数年前、朝日夕刊のマリオン欄に江戸のマナー「江戸しぐさ」に関するコラムが出ており、興味深く読んでいた。公共広告機構のCMにもなっていて、わりあい最近まで流れていたはずだ。著者はマーケ…

アースダイバー/中沢新一

縄文時代、海は現在よりもかなり内陸まで入り込んでおり、海に突き出た半島や岬の部分に霊域があった。現在では洪積層と沖積層と区分される境目であり、ここには現在、寺社や古墳が残っているのだとする都市探訪記。皇居が東京の中心であるのも、集落の中心…

「水滸伝』から中国史を読む

昨日のNHK教育「歴史に好奇心」は『「水滸伝』から中国史を読む』という特集で、北方謙三が北方版水滸伝の話題を中心に、水滸伝の世界や自己の中国史観などを語っている。 http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200809/thurseday.html中国史の世界に近代的な革命…

お江戸風流さんぽ道/杉浦日向子

お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫) 杉浦女史が江戸の生活やファッションや食を語った「ごくらく江戸暮らし」と、テレビ版組の講義録「ぶらり江戸学」を一冊にまとめたもの。江戸の楽しさ、面白さが興味深く綴られている。・枯野見、氷鉢見(凍った池を眺めて…

アキバという公界

ちょっと前のことですでに釈放済みになっているが、オタクの聖地で、過激(お下劣)なパフォーマンスで耳目を集めていた自称グラビアアイドルが逮捕されるというニュースがあった。確かに、アニメキャラやメイドなどのコスプレーヤーがが目立つ格好で歩行者…

最後の犬山城主

以前にこの訃報を目にしまして、犬山城主で成瀬と来れば おそらく尾張藩の付家老成瀬隼人正の 子孫なんだろうなぁと思っていたらやはりそうでした。 犬山藩となったのは維新後で、それまでは藩主ではなかったんですね。 http://www.asahi.com/culture/news_c…

霾普段はお目にかからないような漢字ですが、「霾」または「霾る」で、つちふ(る)と読みます。昨今何かと話題の黄砂のことです。霾は季語になっていまして、季節の情緒という感じで使われていますが、健康被害をもたらすなど、今時は迷惑この上ないようで…

仏事あれこれ(7)喝!

父の葬儀に関して思い出したのですが、よく「引導を渡す」と言いますね。↓ウィキペディアより 1 仏教語。衆生を導き、仏道の正法に引き入れること。 2 1から転じて、仏教における葬送儀礼の1つで、葬儀において僧侶が死者に対して読経を行った後に読誦され…

仮面風流

新聞の神奈川版に出ていたのですが、鎌倉の御霊神社で仮面風流を今に伝える面掛(めんかけ)行列があったとか。伎楽面などをかぶっての行列はそれだけで不思議なイメージがありますが、仮面風流などと言われた日には中世ミーハーの血が騒ぎます(笑)。 http://w…

からくり儀右衛門

幕末のからくり人形の名手 からくり儀右衛門こと田中久重の弓曳童子。 以前テレビで見たことがありますが、この的に矢を当てる人形は、何本かに一本は失敗するように仕掛けがされているそうです。おそらくぜんまいと歯車の複雑な組み合わせによるものなので…

伝統の朝顔

千葉県佐倉市の国立歴史民族博物館に、くらしの植物苑という一画があります。博物館サイトによると「くらしの植物苑は、生活文化を支えてきた植物を系統的に植栽し、その理解をより深めることを目的として、博物館の南東に位置する旧佐倉城の一郭に開設され…

NHKスペシャル「長寿企業大国にっぽん」

昨夜のNHKスペシャル「長寿企業大国にっぽん」は大変面白かった。 http://www.nhk.or.jp/special/onair/070618.html「日本には、100年を越える歴史を持つ長寿企業が数万社ある、という。 実は、日本は知られざる「長寿企業大国」なのである。」 このテー…

興福寺の阿修羅

JR東海のCMは、「桜で京都」が終わったら今度は「阿修羅で奈良」ですね。興福寺の阿修羅像は、少年のようなりりしい顔立ちから「天平のアイドル」と呼ばれたりしますが、インド神話の中ではわりあい凶暴なキャラクターではなかったでしょうか。私は仏教系の…