本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

震災

2匹の猫&今日の独り言

この猫は近所で放し飼いにされていて、よくうちにやって来て昼寝しているスコティッシュフォールド。迷惑がられているせいか猫なのに全然可愛くない(笑)。 2021年3月11日の独り言 あれから10年か。あの頃、「日本が変わる機会になれば」と書いている新聞が…

調律師/熊谷達也

文庫化にて古い投稿を再掲(=落ち穂拾い(笑)) 共感覚(音と同時に色が見えたりする特殊な感覚)を持つ調律師が主人公のる連作長編。かつて将来を嘱望されたピアニスト鳴瀬玲司は、ドライブ中の事故で調律師の妻を失い、自分もピアニストの道を絶たれて現…

河津桜&3.11の独り言

10日ほど前の江ノ島頂上の河津桜が満開だった。 露出開け気味にするとピンク色が白飛びしてきれい。 2015年3月11日 震災時、鉄道が動かず、たまたま隣市にいた従弟が帰宅できずに泊まっていった。道路は大渋滞で迎えにも行けず、とりあえず近場の駅まで数k…

ドキュメンタリーでの演技

被災地を撮ったドキュメンタリー「ガレキとラジオ」に演出があったことについて新聞の特集を読んだ。被災地ではラジオが重要な役割を果たしたというテーマのドキュメンタリーで、電波の入らない地域の住民にラジカセに耳を傾けさせて撮影したそうだ。ヤラセ…

今日の独り言

震災の年の7月。日和山より中瀬公園を望む。 2014年3月11日 三年か。五十路にとってはあっという間だが、十代だったら中学・高校の全過程。3月だから卒業から卒業へという感じ。2010年に闘病の後に叔父が死去。叔父を送った叔母は少しゆっくり出来るだろう…

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元新聞/河北新報社

文庫化にて再掲。しかしこのタイミングでというのはちょっとあざといなぁ(そう言いつつ掲載する自分もあざとい)。 東日本大震災が発生した日、東北を地盤とするローカル新の河北新報社がどのように行動したかを子細に記録したノンフィクション。河北新報の…

NHKスペシャル 亡き人との"再会"

昨日、NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 亡き人との"再会"〜被災地三度目の夏に〜 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0823/を見た。最近、被災地の都市伝説として新聞でも採り上げられていた、津波の犠牲になった家族の気配を見る・感じるという…

東日本大震災 石巻災害医療の全記録/石井正 

東日本大震災での被災後、医療機能の麻痺した石巻において救急医療を一手に引き受けた石巻赤十字病院の医師であり、石巻県合同救護チームのリーダーでもあった著者が、震災後6ヶ月間の苦闘を克明に記したノンフィクションである。災害救護活動も任務とする…

神様2011/川上弘美 

305号室に引っ越してきた妙に律儀で古風なくまと散策に出かけるという、他愛なくユーモラスな短編「神様」を、2011年3月12日の福島第一原発爆発事故後にリニューアルしたもの。オリジナル「神様」のくまさんは、葉書を持って引っ越しの挨拶に来たり、ちょっ…

宮城二泊三日の旅5 石巻を守るヒーローたち

石巻では10年ほど前から近隣出身の石ノ森章太郎の漫画で町興しを画策していて、石ノ森萬画館という巨大な展示館を作り、石ノ森漫画のヒーローを街角に立たせている。トヨタのCMでビートたけしとキムタクが東北を旅するシリーズの石巻篇では「石ノ森章太郎さ…

宮城二泊三日の旅4 蛇田矢本ウロウロ&さらば石巻篇

二泊目は蛇田のルートイン。1000円の違いで設備の快適さが全然違うが、郊外型の展開なので街中の面白さはない。そういえば夜の石巻を散策したかったなぁ。いち早く復興したのは歓楽街だというのは叔父からの情報。翌朝のバイキングはメンチカツに焼きそばと…

宮城二泊三日の旅3 合同法要&万石浦

朝食が別のホテルになるので、朝も少し立町周辺を徘徊。街中の中心部にも被災の後が残っている。二日目、法要が執り行われる門脇町の西光寺へ。ここも大きく被災したが、本堂の二階に避難して助かった人も多かったと聞く。一階には相当に泥が流れ込んだだろ…

宮城二泊三日の旅2 石巻徘徊篇

二時間ほどで松島を切り上げ、石巻へ。叔父宅のあった南浜町へ立ち寄ったが、相変わらずののっぺらぼうな土地と、堤防付近に見える瓦礫の山。廃車の積み上がったところも通ったし、なんでこんな状態なんだと何とも切ない心境になる。がれき受け入れ反対って…

宮城二泊三日の旅1 松島寄り道篇

病没した叔父の三回忌、津波で未だに帰らない叔母と叔母の妹夫婦の一周忌を併せた合同法要があり、二泊三日で石巻及びその周辺へ行ってきた。宮城の大衡村で生産されている新型カローラアクシオに乗って宮城県へ。気分はFUN TO DRIVE AGAINである。初日は松…

裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす/たくきよしみつ

著者は原発に近い川内村に居住していた作家・技術批評のライター・ミュージシャンなどを兼業する人で、福島第一原発事故以降、いかに国や県の対処がでたらめだったか、東電や原子力政策のインチキさ、線量が低いにも関わらず避難地域に組み入れさせたがる行…

瓦礫の中から言葉を わたしの<死者へ>/辺見庸

宮城県石巻市出身の著者が、震災直後にNHKの「こころの時代」に出演し、震災を語った内容に基づいて新たに書き下ろされたもの。震災後「ぽぽぽ〜ん」に乗っ取られたテレビから流れるのは「楽しい仲間」「ごめんね」「ありがとう」「絆」などの空疎な言葉で、…

春を恨んだりはしない/池澤夏樹

震災後のあれこれ、原発問題などを作家の視点で考察した随想。作家が震災を語ると詩を引用したりしてどうしても文学的になってしまうのは避けがたいのかも知れないが、以前に新聞に掲載されたコラムをふくらませた「昔、原発というものがあった」が読み応え…

震災句集 関揺れる/御中虫

茨城在住の俳人・関悦史さんは昨年の震災で家が壊れるなどの被災をされたが、ツイッターで関さんと交遊のある御中虫さん(おなかむし=凄い俳号だ(笑))が、「震災句集/長谷川櫂」に反発し、ツイッターにて一晩で書き上げた連作125句が「関揺れる」である…

一年

一年前、被災地出身で都内に住む父方の従弟が10kmほど離れた隣市に来ており、電車が動かないと電話してきた。車で迎えに行こうにも大渋滞しているらしく、バスや路線の乗り換えが出来る駅まで二駅分歩くようにアドバイスしたら、6kmほど歩き、バスが…

昨年の吊し雛

近隣の公共施設で毎年吊し雛の展示をやっているが、昨年、写真を撮ってきたものを葉書サイズにプリントした(そのまま切手を貼って送れるので)。母が、押し絵の講師をしていて可愛い細工物の好きな叔母にプリントを送ると電話で話したのが3月9日のこと。結…

NHKスペシャル「“魚の町”を守れるか」

昨日、NHKスペシャル「“魚の町”を守れるか」を見た。被災地気仙沼で、中小企業を支援する信用金庫の苦闘を描いたドキュメンタリーだ。ある水産加工業者は工場を根こそぎやられ、今までの負債にくわえて再建資金が必要だったが、メインバンクはけんもほろろの…

大[震災]震災 欲と仁義/荻野アンナとゲリラ隊 

作家の荻野アンナが「避難所は社会の縮図である」と見なして被災後一ヶ月くらいの避難所を取材した共同通信連載ルポ。同行した共同通信記者(河北新報に出向中)は仙台港で津波に遭遇したそうだ。この記者の言によれば、テレビ取材で涙にくれる被災者はまだ…

三陸海岸大津波/吉村昭

歴史作家の著者がかつて三陸を襲った大津波について調査し記したもの。元々ドキュメンタリー的な小説を書く人だと思っているが、本書はまさにノンフィクションに他ならない。昨年三月の東日本大震災を受けて増刷されたもので、未亡人の津村節子の意向で印税…

原子力がらみの話題における語彙

原発事故以来、さんざんネタにされている話題だとは思うけれど。 放射能と放射線と放射性物質はそれぞれ違うものだが、すべて引っくるめて「放射能」と呼んでしまいがちで、自分も子供の頃からそうだった。60年代〜70年代には「雨に濡れると放射能で頭が…

虹を架けよう/Bikkis(みやぎこども基金)

「虹を架けよう」は宮城ゆかりのBikkis(さとう宗幸、小川もこ、遊佐未森、かの香織、山寺宏一、東野ひろあき、小柴大造)が歌うみやぎこども基金の復興支援ソング(一枚500円)。 http://bikkifund.net/被災した故郷に虹を架けるべく幟旗を振る人たちの笑顔…

みやぎの思い出写真集−海と 風と 町と−

被災後の写真集は各社から発売されているが、震災前の宮城の風景が見たいという声が多かったことから企画されたもの。元写真を無償で提供して貰ったそうで、県内各地の風景が収められている。一冊525円で、収益はすべて宮城県に寄付される由。亡父の出身地石…

悲しき陶器

焼き物が好きで、安い作家物を買ったり、焼き物好きの両親が陶芸の土地へ旅行したときに土産に貰ったりしたものを箱に入れて棚の上に上げておいたら三月の震災で落ちてしまった。チャリチャリと悲しい音がするので開ける気になれなかったが、昨日、部屋の掃…

被災地からの訃報

義理の伯母は石巻出身で仙台に暮らしているが、伯母の実家の兄(86才)が亡くなったと知らせが入った。何度か顔を合わせたことがあるかも知れないけれどもしかとは記憶にない人だ。呼吸器疾患を持っていたと言うことで、津波後、息子(いとこのいとこに当た…

福島の桃 あかつき

あかつきはフルーツ王国福島で生産される桃のうち、比較的早く出回る品種ではないかと思う。昨年、叔父の葬儀の帰途、福島のPAで傷ももを買って帰り、その美味さに驚いた。また賞味したいなぁとは思っていたが、あの原発事故で今年は大丈夫なのか疑問だった…

古いアルバムと上野城

津波で家が流されてしまった親戚のため、古い写真を掘り起こしている。古いプリントはスキャナで取り込まなければならないが、取り込む過程で劣化したり、見た目には分からないキズやホコリがかなり際立ってしまったりで、ちょっとした補正が必要だ。二十年…