本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

こわれた腕環 ゲド戦記2/アーシュラ・K.ル=グウィン 

大魔法使いゲドの成長と苦悩と活躍を描くゲド戦記シリーズ第二巻である。カルガド帝国の王室は「名なき者たち(闇の者たち)」を信仰しており、墓所の大巫女が亡くなると、生まれ変わりと思しき幼児を跡継ぎに据え、次代の大巫女に育てる。アルハとして育っ…

発酵食品の誘惑

画像は本日の夕飯のチゲ。母の作るキムチがいい感じにかなり酸っぱくなってきたので作ってみた。ニラの代わりに葱の青い部分を入れているが、少し煮れば結構食べられるので、泥つき葱の季節になると重宝する。 発酵食品が加熱されると独特のコクを生じる。キ…

空海の風景(上・下)/司馬遼太郎 

平安時代、日本仏教に大変革をもたらし、書芸、画芸、文芸のみならず、経済や土木などの分野でも異能を発揮した巨人空海の人生や事績を丹念に辿った評伝文学とでも言うべきか。小説と銘打ちながら著者の考察に終始しているのは司馬作品のいつもの手法だが、…

イモ類の問題

豚汁に入れるイモ類は何が基本なのだろうか。 我が家の場合は昔からサツマイモである。父の実家でそうしていたからという理由で子供の頃から食べてきたので何ら違和感を持たないのだが、どうやら世間的には違うらしい。 なかんずく、父の実家の伯母と従妹が…

暗く聖なる夜(上・下)/マイクル・コナリー 

ロス市警ハリウッド署のはみ出し刑事ハリー・ボッシュを主人公にしたシリーズの一冊だが、本作から刑事を辞め、私立探偵として登場している。ベトナム戦争従軍の過去を持つハリー・ボッシュは、独自の規範と正義感から行動しがちで、組織からははみ出してい…

影との戦い ゲド戦記1/アーシュラ・K.ル=グウィン

岩波少年文庫に入ったのを機についにゲド戦記シリーズを読み始めた。多島海(アーキペラゴ)地域の山羊飼いの家に生まれたハイタカ少年が大魔法使いになるまでを描いた成長ファンタジーという感じだろうか。ハイタカは素質を見込まれて大魔法使いに預けられ…

ああだこうだ言わんとコーダーブルーム

相変わらず実際には乗らずにネットと紙で自転車を楽しんでいる自分だが、昨今気になるのが[私×自転車]のコーダーブルームというブランドである。 http://www.khodaa-bloom.com/2010/ ↑フラッシュ使いまくり注意 下記はサイトのブランドコンセプトから一部抜…

デジカメに1000万画素はいらない/たくきよしみつ

ミュージシャン、作家、デジタル方面のライターなど、多方面の活躍をする著者が、朝日別冊BEに連載したコラムに加筆訂正したデジカメ本。デジタルカメラ業界をめぐる矛盾をユーザー本位で突いており、また、ガバサク流写真術を指南するなど、デジタルカメラ…

♪キノコ〜ノッコ〜ノコ

今が旬などと言って料理番組でキノコ料理を取り上げる季節だが、使うキノコは一年中スーパーに並んでいるものばかりで、どこが旬なんだぁ〜と毎年ツッコミを入れている。田舎の民宿に泊まるとかしないと、本当に旬のキノコは味わえなさそうだ。まぁそれでも…

]ROCKER/小野寺史宜

気ままに生きている女子高生が音楽に目覚める青春小説。 両親が離婚し、母親が働いているのでわりあい野放図に生活している堀美実は、高校は卒業できるぎりぎりの日数しか行く気がなく、友人は作らず、従兄の永生(えいしょう)のアパートに入り浸る日々だ。…

境目のない遠近両用レンズに存在する若年と老年の境界

高校入学頃から「近視+乱視」眼鏡を使用してきたが、本を読んでいてわずかに字がぼやけるようになったのは10年くらい前だ。老眼のはしりだがまぁそれでも普通に読めていた。それが、4〜5年前に眼鏡を新調したとき、アラっというくらいにはぼやけるように…

海底二万里/ジュール・ヴェルヌ

言わずと知れた空想科学小説の古典である。ストーリーについては大きく触れる必要はないと思うが、十九世紀の大洋上で何者かとの衝突事故が頻発し、調査のために軍艦に乗り込んだ博物学者アロナックス教授が海底の驚異を語る記録という体裁を取っている。今…

図書館にて

大きな音声が苦手だ。一緒にテレビを見ていても、ひとがちょうど良いという音量が不愉快になる。これは耳がいいというより騒音に対する耐性が弱いのだと思う。だから映画館やライブも苦手で足を運べない。昨日、図書館で雑誌を見ていたら、隣の席に座った子…

チーム・バチスタの栄光/海堂尊

あまりにも有名な作品なので、今更の感もありますが・・・(汗)。大学病院における連続不審死事件の謎解きを描く、言わずと知れた医療ミステリのベストセラーである。バチスタ手術(拡張型心筋症の肥大した部分を切除してしまう心臓手術の手法)の名手・桐…