本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

西遊記/平岩弓枝

平岩弓枝が中国奇書を翻案するとは思わなかったが、「道長の冒険」なども書いているので、アジアンファンタジーも得意なのかもしれない。 大筋は底本通りだが、石猿の誕生などはすっ飛ばし、玄奘の登場あたりから書き始めている。悟空の造形もわりあい子供っ…

電動歯ブラシデビュー

テニス肘ならぬ歯磨き肘(笑)を診てもらった整形外科の医師に電動歯ブラシを勧められまして、どれを選んだらいいものやら散々迷っておりました。 価格比較サイトや通販サイト、実店舗の家電店やドラッグストアも見て回ったところ、家電会社の製品と歯磨き方…

有頂天家族/森見登美彦

下鴨神社の糺の森に救う狸一家の、心温まる家族愛と痛快な活劇の物語。京都を舞台にひねくれ純情の主人公のドタバタを描くのがいつもの森見作品だが、人間ではないものを主人公にすることでベタベタな部分を書いてみたかったというのが作者の弁である。京都…

THE GREAT KAI & J.J. / J.J.JOHONSON AND KAI WINDING

J・J・ジョンソン、カイ・ウィンディングの楽しい両トロンボーンに、ビル・エヴァンス、ポール・チェンバースなど、豪華なサイドメンがからむ贅沢なセッションだ。スライドで音階を変化させるトロンボーンは、トランペットやサックスのように素早く派手な…

江戸の繁盛しぐさ こうして江戸っ子になった/越川禮子

江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)数年前、朝日夕刊のマリオン欄に江戸のマナー「江戸しぐさ」に関するコラムが出ており、興味深く読んでいた。公共広告機構のCMにもなっていて、わりあい最近まで流れていたはずだ。著者はマーケ…

異界/鳥飼否宇

那智勝浦を舞台に、ある医師一家を襲う不気味な事件の解決に南方熊楠が挑むという熊野伝奇ミステリー。おどろおどろしく生と死を豊饒に抱え込む熊野の地は元から好きな土地だし、更に異形扱いされるサンカが絡むとなればこれはもうたまらない設定だ。産科も…

月末月初に検索エンジンは踊る(らしい)

団体サイトのヘナチョコウェブマスターをしているので、検索エンジンの掲載順位というものが大変気になる。月末月初にインデックスの登録改変がなされて順位が乱高下するらしく、その世界では○○○○ダ/ン/スと呼ばれているそうだ。○○○○八/分というのもあるらし…

アースダイバー/中沢新一

縄文時代、海は現在よりもかなり内陸まで入り込んでおり、海に突き出た半島や岬の部分に霊域があった。現在では洪積層と沖積層と区分される境目であり、ここには現在、寺社や古墳が残っているのだとする都市探訪記。皇居が東京の中心であるのも、集落の中心…

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

3ヶ月ほど前から左肘に鈍痛が出ていた。動かしたり、重いものを持ったりするとピキピキと痛んだが、いつか治るだろうと思いながら一向に治癒せず、致し方なく整形外科へ。 動かしたりひねったり折り曲げてみて痛みの出る部分を探し、あっさりテニス肘だろう…

銀輪の覇者/斉藤純

昭和9年、東京でのオリンピック開催に向けて、自転車競技のアマチュア化が推し進められている時代に逆行するように、下関から青森までを駆け抜ける、賞金付きの大日本サイクルレースが開催される。実用車のみという参加条件、食わせ者らしい主催者、元選手…

男たちは北へ/風間一輝 

自転車の旅と自衛隊内の謀略が交互に語られる、センチメンタルな傑作ロードミステリー。狂気の自衛隊幹部によるクーデター計画の概要を記した印刷物が、偶然のことから桐沢風太郎(自転車で旅するフリーのグラフィックデザイナー)に拾われる。これを奪回す…

「水滸伝』から中国史を読む

昨日のNHK教育「歴史に好奇心」は『「水滸伝』から中国史を読む』という特集で、北方謙三が北方版水滸伝の話題を中心に、水滸伝の世界や自己の中国史観などを語っている。 http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200809/thurseday.html中国史の世界に近代的な革命…