本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

伝統の朝顔

千葉県佐倉市の国立歴史民族博物館に、くらしの植物苑という一画があります。

博物館サイトによると「くらしの植物苑は、生活文化を支えてきた植物を系統的に植栽し、その理解をより深めることを目的として、博物館の南東に位置する旧佐倉城の一郭に開設された自然を生かした植物苑です。」ということですが、ここで毎年「伝統の朝顔」という企画展が行われます。

江戸時代の園芸は、当時、世界の最先端だったのではないかと言われていますが、変化朝顔(へんかあさがお、へんげあさがお)という園芸趣味がございました。花や葉がねじくれたようなへんてこな形の朝顔を作出して競うという、なかなかマニアックなもので、階級を超えて愛好者が集ったようです。

変化朝顔は一代限りの不稔性なのですが、メンデルの法則が再評価される以前に「これとこれを掛け合わせるとこういう品種が出来る」ということを江戸の好事家たちは体験的に知っていたようで、まさに当時の最先端バイオテクノロジーでした。

現代にも愛好者が多いようですが、これを一堂に見られるのが歴博の「伝統の朝顔」です。下記のサイトに画像も多数ありますので、ご参照ください。
http://www.rekihaku.ac.jp/events/o070724.html