本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

東慶寺散策

檀家になっている寺で施餓鬼供養があり参加。仏教を信仰している訳ではないのだが、大勢の僧侶による読経(大迫力!)を聴けるのは宗教体験として興味深い。やはり宗教と芸能は同根だなぁと思う。時にはスピリチュアルな感慨にふけるのも悪くない。

散会してから東慶寺へ(20年ぶりくらいになる)。あじさい、花菖蒲の時期は大変に混み合っただろうが、花の季節が終わった今頃は閑散としており、深山の雰囲気を味わいながら境内を拝観するにはちょうどよい。

東慶寺には、岩波茂雄西田幾多郎鈴木大拙田村俊子など、文化人・著名人の墓所が多数あるのだが、これらを確認しながら歩くのも観光の一部となっている気がする。

中に、著名な作家が施主として卒塔婆をあげている風変わりな墓があった。当然ながら本人はご健在だからおそらく親族の墓になるのだろう。土饅頭の上に盆栽のような松が一本植わっているという非常に個性的な作りである。さすがあの作家だ(笑)。

東慶寺の入り口には喫茶吉野というクラシカルな喫茶店がある。作りはけばけばしさがなくシックで、今時は珍しいコーヒー専門店の趣もあり、落ち着いて一服できるのが嬉しい。本日は暑かったのでアイスコーヒーを頼んだが、本当はホットコーヒー(その名も懐かしいブレンドがメニューにある)の方がより本格的なのではないかと思う。


短時間の北鎌倉散策だったが、堪能。