2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
主人公のゆきなは、親が外遊中のため古い家に一人で暮らす女子大生である。本好きだった兄の遺品である蔵書を引っ張り出しては読んでおり、それぞれの章に「蒲団/田山花袋」「山椒魚/井伏鱒二」「コネティカットのひょこひょこおじさん/サリンジャー」な…
熊谷達也の面白さを知ってしまったので少しずつ読み進めている。直木賞受賞の際、書評家によるレビューが今イチの扱いだったのですっかり興味をなくしていたが、東北の民俗学をベースにした小説群は読んでみたら存外に面白いではないか。本作は、著者が小学…
いわゆる食味随筆だが「どこそこのアレが美味い」的な記事は少なく、食にまつわる家族や子供時代の思い出を語って幸福感や暖かさを実感させる。発熱時に「寒天が食べたい」とうわごとを言う正一少年のために母親が寒天を煮始めるが、待っていられない父親が…
座敷の障子に外の植物の影が写って面白かったので。 ベランダの影が邪魔ですが致し方なく・・・。
春秋時代の斉の公室を親子二代にわたって支えた晏弱・晏嬰の活躍を描いた中国史小説である。斉の国は、太公望の建国より不可侵の大国として存してきたが、二大強国となった晋と楚のどちらに付くかで揺れ動く状態となっていた。そして、晋からの使者を揶揄し…