本・花・鳥(ほん・か・どり)

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境目のない遠近両用レンズに存在する若年と老年の境界

高校入学頃から「近視+乱視」眼鏡を使用してきたが、本を読んでいてわずかに字がぼやけるようになったのは10年くらい前だ。老眼のはしりだがまぁそれでも普通に読めていた。それが、4〜5年前に眼鏡を新調したとき、アラっというくらいにはぼやけるようになり、それがここ1〜2年で格段に進んでついに本は眼鏡をはずさないと読めなくなっている。

困ったのはコンピュータで、眼鏡をはずしてしまうと今度は「近+乱」で見えず、致し方ないのでディスプレイに顔を近づけ、頬杖を突いて作業せざるを得なかった。これでは姿勢が悪いし、内臓や骨格に問題が出ても困るので、はじめての遠近両用を作ることにした

眼鏡屋の店員の言うところでは、現在使っている「近+乱」眼鏡は度が強すぎ、だから近くが見づらいということで、試しに度を落として見たら、確かに手元〜中距離の字がはっきり見える。これはちょっと感激だった。店員氏には、遠近両用は視界に歪みが出て使いにくいものだから、今の眼鏡と交代に使うことにして「近+乱」の入らない手元専用眼鏡を作ったらどうかと言われたが、「近+乱」眼鏡の突如壊れることがあるかもしれず(以前に使っていたものはフレームが突如切れて、セロテープでしのいだのである(笑))、そうすると運転するときに困るので、結局運転免許が取れる0.7の度数入り遠近両用にした。

で、昨日より使い始めている。確かに視界の歪みはあるし、どのレンズで見ているかで、見たいものがぼやけてしまうこともあるが、何より眼鏡をかけたままコンピュータを良い姿勢で使えるのがありがたい。しかし、0.7の度数だと、近+乱用レンズの方でもディスプレーの字が読めることが分かった。なんだ今度からこの度数で作ればいいんじゃないか!

父も長年遠近両用を使っていたが、子供のころから見慣れていた父の眼鏡は境目がはっきり分かるものだった。「境目のない遠近両用レンズ」という宣伝文句を聞くようになったのは20年くらい前からだろうか。昨今の累進レンズは、確かに見た目では分からないが、かけていると見え方の違う部分があり、やっぱり境目は厳然と存在する。で、この境目は、若年と老年の境界でもあるのかもしれない、などと考える。三谷幸喜も、頚椎のヘルニアについて「交通事故に遭ったくらいに悪化している。加齢と姿勢の悪さが原因である」と言われて愕然としたと書いていたが・・・(笑)。