本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

漂うままに島に着き/内澤旬子

中年以降に小豆島への移住を決め、実際に暮らし始めた様子を綴る移住エッセイ。


東京の住宅の狭さに辟易してきた著者は田舎への移住を考え始めるが、どこにしようかというのが問題になる。小豆島に知人夫婦が移住していたのが契機となり、また隣の豊島にも知人がいて、小豆島へ。


住宅探しも大変だし、離島への引っ越しも一苦労。そういう過程がつぶさに語られ、田舎暮らしを考える人には参考になるかもしれない。移住した先でも適当に知人に恵まれ、人間関係での嫌な思いはなかったようだ。これは著者の人柄もあろう。


ヤギを飼い、罠を仕掛けて猟をし、海で食材を採るという暮らしもなかなかに楽しそうで、これは田舎暮らしの醍醐味であろうな。


成功した田舎暮らしの記録として楽しく読めた。自分自身も田舎暮らしへの憧れはあるが(現在済んでいるところも半田舎ではあるが)、まず無理なので疑似体験というところか。