本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

Music From Big Pink/The Band

ザ・バンドの盛名については高校の頃より知っているが(解散コンサートのライブ映画「ラスト・ワルツ」はつとに有名だ)、なぜか縁がなく今まで来てしまった。このところフォークロックはまっているので、その一環で購入。

ザ・バンドは元々ボブ・ディランのバックバンドであったらしい。デビュー作(本作)のビッグピンクとはディランとメンバーが同居していた家の愛称だとか。ボブ・ディランのバックと言うことで、もっとフォーキーな感じを想像していたがかなりブルージーな印象。アップテンポな曲は更にファンキーだ。

全体的に何か切なさに覆われているように感じるのは、ベトナム戦争とかフラワーチルドレンなどの時代背景につい思いを致してしまう勝手な思い込みだろうか。

印象的なのはボブ・ディランの楽曲でも有名なI shall be releasedだ。絞り出すような声で切々と歌われると、詳細な歌詞までは分からぬもの「私は解放されるだろう(されるべき?)」というタイトルからも、自由や平等について歌っているのだろうと思わされる。

Orange Juice Bluesもファンキーで気持の良い曲だが、これはボーナストラックで本作のオリジナルではないようだ。下記はちょいっとアレンジが違うが同様にファンキーで、サザンロックの感。

アメリカのルーツミュージックのいいとこ取りという感じの作品で、これがデビューとは思えないくらいに完成度が高い。後はラスト・ワルツにも行かねばならぬが、大物ゲストが大勢ということで、どちらかと言えば映画版を見たいかも。