本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

[鬼振袖 国芳一門浮世絵草紙3/河治和香 

「侠風むすめ」「あだ惚れ」に続く、鬼才浮世絵画家歌川国芳の娘・登鯉(一燕斎芳鳥)の青春を描く時代小説シリーズの第三弾である。このシリーズは登鯉の青春の焦燥を情緒的かつユーモラスに綴って読ませるが、19才になった登鯉には嫁き遅れを心配する周…

毒杯の囀り/ポール・ドハティー

1377年のロンドンを舞台にした歴史ミステリー。 幼い国王が王位を継いだばかりの宮廷にコネクションを持つ金融業者トーマス・スプリンガル卿が毒殺され、忠実な召使いが毒物の証拠を保持して自殺した。スプリンガル卿の寝室は鶯張りのごとき「小夜鳴鳥の…

血涙 新楊家将(上・下)/北方謙三 

北宋の時代、軍閥楊家軍を率いる楊業が、精強すぎるが故に国主から信用されず、戦いの中で死んでいくまでの悲劇を描いたのが「楊家将」で、本作は、楊業の死後、遺児たちの戦いを描いたものである。精強な軍閥楊家軍を率いていた楊業は陳家谷の戦いで戦死、…

美女と竹林/森見登美彦

竹林が好きだからという理由で大学院で竹について研究していた登美彦氏が、多角経営を夢見て職場の同僚女性の実家所有の荒れた竹林を整備し、己が成功者となる妄想をふくらませていくノンフィクション(?)。エッセイと銘打たれてはいるが、まぁ、いつもの…

ボローニャ紀行/井上ひさし 

ボローニャというと、ミートソース(ボロネーズ)と絵本で有名な町というイメージしかなかったが、街全体がいかに人と文化を大事にしているか、手放しで褒めちぎっているようなボローニャ紹介の探訪記である。戦中はファシズムとナチスに抗したレジスタンス…

山背郷/熊谷達也

潜水夫、マタギ、河川水運の船頭、漁師など、大自然を畏怖し、崇敬し、寄り添い、或いは抗って生きる人々を描いた短編集で、自然の詩情と共に民俗や習俗も巧みに取り込んでおり、非常に読ませる。直木賞受賞作「邂逅の森」のプロトタイプも収められている。…

感染性胃腸炎体験記(笑)

先週土曜から感染性胃腸炎と思われる症状で苦しんだ。まぁでも、初めての体験として興味深かったので、ネタにすることにした。 尾籠な部分もあるので、汚そうだと思われたらスルーしてください(笑)。 夕食後、胃が重苦しいので少し食べ過ぎたかなと思って…