本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

二人称としての「自分」

福山雅治が出演している缶コーヒーのCMで、筋を通して職場にいられなくなったらしい福山に「自分、不器用だな」と現場の作業員が声を掛ける場面がある。関西人タレントや若い学生が、二人称に「自分」を使うのは何となく分かっているが、共通語(標準語)でこれをやられるとどうも違和感を覚える。別バージョンで、掃除のおばさんが「自分、不器用だね」というのも同様だ。関西弁であれば違和感なく受け入れられるのだが・・・。
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一人称を二人称として使うのは、「オノレ(己)は」「オンドレ(己)は」「テメェ(手前)は」など、どうも罵倒関係に多いようだ。共通語においても「自分だってそうだろう」「自分はどうなんだ」など「自分」を二人称として使う場合があるが、相手の人格丸ごとを「自分」と表現として貶めたい、という欲望が垣間見える。一人称を二人称として使う場合、どうもネガティブな感情が基調になっているような気がするのだが・・・(笑)。