本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

言の葉

語学の天才まで一億光年/高野秀行

辺境を旅して様々なルポやエッセイを発表している作家が、若い頃からいかにして各地の言語を習得してきたかをユーモラスに記している。 早稲田大学探検部時代、コンゴに遠征するにあたり、かの地のかつて宗主国言語あったフランス語を覚えようとしてして電車…

へなちょこ韓国語を実践してみた   ソウル駆け足訪問記17

独学 16〜7年ほど断続的にNHKのラジオ講座で韓国語を独学している。きっかけは家にあった入門書。日本の植民地だった旧朝鮮京城からの引揚者である亡父は、リタイア後に韓国語習得を目指してカルチャー教室などに通ったが、結局ものにはならなかった。家…

舟を編む/三浦しをん

大冊の辞書「大渡海」編纂に携わる人々を描き、辞書作りの苦労と、言葉に対する情熱をひしひしと伝えてくれる出版小説とでも言うべきか。社内事情もあって大渡海はなかなか出版されず、15年の長きに亘って編集作業が続けられていて、辞書作りの中心となるの…

合従連衡&今日の独り言&カマキリ、セミを襲う

注意!末尾に「カマキリ、セミを襲う」画像があります。 その時々の権力構造によって各勢力が離合集散するのを合従連衡と言うが、これは、秦という大国に対し、周囲の小国が共闘した故事(縦に囲むので本来は合縦)に由来するらしい(宮城谷昌光の中国史小説…

カチリ・・・

井上靖は、旧制沼津中学時代の早熟な同級生たちに影響されて文学に目覚めたらしいことが自伝的な作品によく出てくるが、随筆か何かで、早世した友人の詩を引用していたのを読んだことがある。カチリ 石英の音 秋なんとも秋の冷涼さが表現されているなぁ。検…

いとこ違い、或いは従叔父

石巻に住む亡父の従弟と叔父甥の付き合いをしている。親のいとこを「いとこ違い」と呼ぶのは知っているが、なんだか同列の関係みたいで、傍系一世代上という関係性が表れていないような気がしていた。で、検索してみたところ、「従伯父(じゅうはくふ)」「…

海容とか離合とか舎利とか&独り言

海容って言葉を最近知った。寛恕と似たような意味合いに使われているが、海のような広い心で受け容れるってことかと想像してみる。いい表現だな。 離合というと離合集散を形成するパーツとしてしか知らないが、福岡では車のすれ違いを離合と言うことをSNS…

ほでなす・たーくらたー&牧歌、そして三日間の独り言

ほでなす&たーくらたー 石巻弁botというのは、Twitterにおいて宮城県石巻方言をユーモラスに紹介しているボットアカウントであるが、今日は愚か者を意味する「ほでなす」が出てきた。「全国アホ・バカ分布考/松本修」によると「ほでなす」は京都を中心に同…

世界観の不思議

下記はウィキペディアより。世界観(せかいかん、Cosmologyまたはworldview)とは、世界についての統一的な見方・考え方のこと。人生観より広い範囲を包含する。一方で日本のポストモダンの文芸評論においては、ライトノベルなどにおける仮想現実的な世界設…

ずっと初歩の韓国語とアジア人の英語

韓国語独学を断続的に15年ほど続けている。亡父が退職後に韓国語学習をしていたことがあり、入門書が家にあったからという単純な理由からだが・・・。韓国語の表音文字であるハングルは子音と母音の組み合わせなので覚えるのが簡単だし(三日もあれば覚えら…

カイツブリの語源

独り野鳥観察のつもりで大和市の自然公園に出かけてみたら探鳥会の開催日で、参加させて貰った。カイツブリの子育てを観察するのがテーマだが、林間のコースを歩いてオオタカのヒナの声を聞けたのが大収穫。カイツブリは一回目の子育てが終わり、巣作り中だ…

原子力がらみの話題における語彙

原発事故以来、さんざんネタにされている話題だとは思うけれど。 放射能と放射線と放射性物質はそれぞれ違うものだが、すべて引っくるめて「放射能」と呼んでしまいがちで、自分も子供の頃からそうだった。60年代〜70年代には「雨に濡れると放射能で頭が…

「お笑い」日本語革命/松本修 

著者は長年「探偵!ナイトスクープ」の制作に携わってきたプロデューサーだが、言葉に対する並々ならぬ関心を持っており、「アホとバカの境界を探してください」という番組への依頼から全国のアホバカ語の分布に関する法則を推定した「全国アホ・バカ分布考…

ハルリュでしょ

一向に衰えることのない韓流ブームだが、おばさんたちが異様に熱狂しているのを見ると不可思議な感慨と共にやや不安を覚える。「売れる物が更に売れる」のは、ベストセラーとかヒットソングとか映画興行とか、あらゆるランキングにまつわる法則だろう。「あ…

「晴れたらいいね」歌詞の不自然さについて考える

FMでかかっていて「晴れたらいいね/DREAMS COME TRUE」を久々に聞いた。以前からドリカムの歌詞には違和感を持っているが、久しぶりに聞いて、あぁやっぱりなぁという感じ。 歌詞を検索して部引用しようと思ったが、著作権がらみで大概のサイトはフラッシュ…

聞く耳を持たない

「国民が聞く耳を持たない」が連発する演説を聞かされたが、「聞く耳を持たない」は非難するニュアンスが込められている文言のはずで、かの人らしい謙虚さで表現するなら「自分の声を国民に届けることが出来なかった」あたりが穏当ではないだろうか。てなこ…

で・も〜

語尾を伸ばすだらしない喋り方は30年くらい前から一般化していると思うが、テレビなどでよく聞く「で・も〜」「だ・か・ら〜」などの歌うように節を付けて伸ばす語尾がものすごく不愉快だ。年の差結婚をした主婦タレントの話し方が代表的だが、同じ年代の…

せいぜいがんばってください。

北京オリンピックに出発する選手団に向けて、二代前の首相(昨年なのに二代前)が「せいぜいがんばってください」との激励(?)を贈ったという話がある。「せいぜい」は「相手の力を見くびる時」や「予測しうる数値が低めに限定されそうな時」などに使われるが…

人形と政治家は顔が命?

衆院解散となった。現在の所は民主党に風が吹いているが、同じように献金問題を抱えながら、圧倒的に支持が強い現代表、辞任圧力の強かった前代表の違いは、やはりご面相なのかと思ったりする。顔が良ければいい人そうに見えたりするし、前代表はああだから…

レンタル

清く正しいNPOが使う名称をポルノ映画に流用されたと姉さんたちが憤っているが、どこか「性」の匂いがする、この淫靡で斬新な響きの造語をアダルト関連がほっとくはずもない。こんなキャッチーな名称を作ってしまった故の弊害かと思う。兄さんもあるらし…

漢字とハングル

一ヶ月ほど前に書き始めてから放置してしまった文章なので、ネタが古いですがご容赦ください(笑)。 漢字が読めないひとのせいで漢字本がブームだとか、漢字検定協会儲けすぎけしからんとか、理事長は謝りたくないから会見を開かないらしいとか、漢字周辺の…

誤読「いっかごん」篇

漢字を読めないことが話題になっているが、自分も未だに自信を持って読めない字がある(汗)。「一家言」は子供の頃から「いっかごん」と思いこんできた(言語道断があるせいかもしれない)。成人した頃は「いっかげん」か「いっかごん」かで迷い、最近にな…

「を」の位置

芸能ニュースに「○○、警察官を殴り逮捕」という見出しがあったが、当初「○○、警察官殴りを逮捕」となっていた。これだとお手柄ニュースのようだ。「を」がどこにはさまるかで大違い・・・(笑)。

パナソニックのデジ○メ?

パナソニックが三洋電機を吸収合併するとか。三洋電機は「デジカメ」という名詞を商標登録しているので、独占的な使用権を持っていると言ってもいいのだろう。ただ、普通名詞としての「デジカメ」についてはとやかく言わない方針だそうで、「○○社のデジカメ…

二人称としての「自分」

福山雅治が出演している缶コーヒーのCMで、筋を通して職場にいられなくなったらしい福山に「自分、不器用だな」と現場の作業員が声を掛ける場面がある。関西人タレントや若い学生が、二人称に「自分」を使うのは何となく分かっているが、共通語(標準語)…

○○飯(笑)

便所飯という言葉を最近の新聞で知った。学者が書いていたもので、昨今の若者は、一人で食事をしていて「友達のいない奴」と思われるのが嫌さに、トイレに籠もって食事をすることを言うそうだ。都市伝説だという説もある一方、確かにそういう傾向があるとい…

カネ

新聞でよく見る「政治とカネ」という表記がどうも嫌だ(「ヒト・モノ・カネ」なんて使い方をすることもある)。何故、「金」とか「資金」とか、何なら「お金」とか書かないのだろう。「金」では金属と紛らわしいのか、「資金」だと綺麗そうな感じなのか、「…

日本語でなまらナイト しのざき教授のなまらやさしい方言講座/柳川孝子 監修しのざきこういち

2年ほど前に女子高生の間で方言が流行っているということがあったが、その流行に材を採った、方言学者が酒場でうんちくを披露しているような語り口の方言コラム集とでも言えようか。言語学者が監修者として名を連ねているところを見ると、本文を執筆してい…