本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

雨にもまけず粗茶一服/松村栄子

茶道の家元のどら息子が親子喧嘩の果てに家出、友人宅に転がり込んだら、何故か茶の湯の総本山京都へ行くことに・・・。公家装束で茶会をするのが趣味の数学の先生やら、飄然とした坊さんやら、ちょっと変わった茶人たちとの友情の中で成長していく青春小説。しみじみと切ない場面があったり、ほのぼのと楽しかったり、茶の湯の幸福感にあふれた小説だった。

茶の湯には少し興味があって何冊か本を読んだが、最初に読んだのが同じ著者の「ひよっこ茶人の玉手」というエッセイだった。この本を教えてくれたのは同じMLのメンバーさんで、茶の湯の方のMLで著者と知り合いということだった。このメンバーさんも何故か茶をされる数学の先生なので、風変わりな数学教師のモデルになったのかと思うのだが・・・(笑)。