本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

7月7日 妙本寺の凌霄花(ノウゼンカズラ)

妙本寺では、あじさいの他に海棠や凌霄花も有名。この日もカメラマンが多かった。

おっと、墓が写り込んでしまった。



[Libro青春・ユーモア・恋愛・その他現代小説]左京区恋月橋渡ル/瀧羽麻子
活発でおしゃれな花が数学に没頭する浮世離れした龍彦にやきもきする恋愛を描いた「左京区七夕通東入ル」http://d.hatena.ne.jp/suijun-hibisukusu/20130620/p1の姉妹編。前作では龍彦の良き友人として登場した山根が主人公の恋愛小説である。

純粋で善良で花火オタクで研究熱心だが垢抜けない大学院生山根は、自分のことを恋愛とは無縁だと思っているが、下鴨神社で雨宿りする黒髪の清楚な美女に一方的に傘を貸して風邪を引く。ついでに恋患いも病んでしまうのだが、本人は自分の症状に一向に気付かず、その代わりに花が見抜いて山根を焚きつけるのだ。女子にとって友人の恋ばなは何よりの好物かもしれない(笑)。

花が「姫」と名付けた女性はある名刹のお嬢様で、本当に姫だったりするのだが、花の立てた計画で四苦八苦のデートを敢行する山根である。恋に悩みうろたえる山根は微笑ましい。この純情ぶりには好感が持てるが・・・。


(以下ネタばらしありなのでスペース取ります)





























問題は姫(野々宮美月)である。美月さんは山根とのデートを楽しんでいる風があったが、実は婚約者がいて、山根は叶わぬ恋と諦めることになるのだ。なんだか山根の純情をもてあそんでいる風があって、どうもこれは納得出来ん(笑)。

山根の暮らす学生寮の人間たちも、年齢不詳で和服姿のやさ男の寮長とか、妙にお坊ちゃんあゲームオタク寺田とか、一癖ありげでなかなかに楽しい。