本・花・鳥(ほん・か・どり)

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情けないクリスマス大賞

クリスマスの日である。子供の頃はは12月25日が盛り上がる日だったと記憶しているのだが、いつの間にやらクリスマスイブがお祭りの日になっているような気がする。覚え違いだろうか・・・。

クリスマスも季語であるから、数多の俳句が詠まれているだろうと思うが、さほどに詳しくは知らない。しかし下記の句だけは明確に記憶に刻まれてしまった。

へろへろとワンタンすするクリスマス/秋元不死男


クリスマスのイメージに和するなり反発するなり、そこに抒情を漂わせるのが季語の力だと思うのだが、ここまで情けないとアナーキーですらある。名句か否かは鑑賞力がないので分からないが、しかしとにかく破壊力とインパクトは感じられる。勝手ながら情けないクリスマス大賞を差し上げたい(笑)。

作者の秋元不死男は、教科書で名前を見た程度であり、どんな人かまったく知らないので検索してみたところ、戦前の新興俳句運動に携わっていた人らしい。この運動は前衛俳句と言うだけで反体制とみなされ、治安維持法で検挙されたという話だ。こういうのも言論弾圧というのだろうか。まぁ確かに、前衛俳句らしい過激さである(笑)。