本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

チャプター・ワン/ガトー・バルビエリ

以前のブログに掲載していた音楽ネタはインポートし忘れたものが多々あるが、ガトー・バルビエリの訃報に接し(河北新報のツイートで知ることになるとは・・・)、テキストをPC内から掘り出してみた。バルビエリ作品で聴いたのはこれだけだが、とても印象に残る作品だ。



ガトー・バルビエリはアルゼンチン生まれのサックス奏者である。名前からしてラテンジャズ的なものを想像するし、そしてラテンジャズというと、サルサやマンボなどのラテンダンス音楽であったり、モダンジャズのフォーマットにラテンのリズムを持ち込んだものであったり、ボサノヴァ的なブラジリアンジャズだったり、とかのものを連想しがちだ。

そして、ガトーさんはそういうものの奏者でもあるようだが、しかし、このアルバムに限っては全トラックのうち3曲はフォルクローレ楽器をバックに演奏しているのである。キューバンジャズとかブラジリアンジャズなら理解の範疇内だが、フォルクローレジャズを聴いたのは初めてだった。

しかもなまなかな演奏ではなく、扇情的で雄叫びをあげているようなサックスにすげぇぶっ飛ぶ!(笑)。「おらび声(おらぶは叫ぶの意)」という古語が似つかわしい、エモーショナルな演奏である。

フォルクローレのリズムを聴いていると日本の村祭りの太鼓によく似ているなぁと思うことがある。そして、そういうリズムに哀愁たっぷりのサキソフォンがからむと、何故か連想はチンドン屋へと向かうのだが、チンドンの如く、日本人の琴線に触れてくる激しいもの悲しさが感じられ一枚。



01)エンクエントロス
02)インディア
03)ラ・チーナ(パート1〜4)
04)ヌンカ・マス
05)トゥ・ビー・コンティニュード

パーソネル
ガトー・バルビエリ(ts, vo)
ラウル・メルケード(quena)
アマデオ・モンジュス(indian harp)
リカルド・ルー(g)
クエロ・パラチオス(g)
アダルベルト・セヴァスコ(b)
ドミンゴ・キューラ(perc) 他