本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

運び屋円十郎/三本雅彦


幕末に世の中が騒然とし始めた頃を舞台にした連作時代小説。


主人公の円十郎は父仕込みの躰術に秀で、表向きにはできないような物資の運びを依頼される運び屋をしている。その中で遭遇する様々な出来事を描く。


躰術の名人ということで、敵方(荷を奪おうとする引取屋や、闇の組織など)と激しく戦うこともあり、そのアクション描写がど迫力。


騒乱に巻き込まれる友人との行く立て、半ば世捨て人となっているような父親との葛藤なども丹念に描かれて読ませる。


この作家には期待だ。