本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

香君(上・下)/上橋菜穂子

舞台になるウマール帝国は、オアレ稲の種もみを独占することで周囲の藩王国を傘下に収めて支配。


オアレ稲は収量豊かで味がよく、病害虫もほとんどないというすぐれた品種だが、それのみに頼る危うさがモチーフになっており、多様性が著者の主張だろうなと思った。


主人公のアイシャは西ケルアーン王国のお姫さまだったが、オアレ稲を拒んだことにより祖父が国王の座を追われ、生きていては政治的に危険な存在と言うことで囚われの身に。


アイシャには香りの声を聞くという超絶的な感覚があり、良くもあり悪しくもあるこの能力を使いながら過酷な運命に立ち向かっていくのだった。なんかジブリアニメの原作に良さげな感じだ。