本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

面白南極料理人/西村淳

南極の越冬隊に参加した海上保安官による一年間の越冬記録。快適な昭和基地と異なり、内陸へ1000km、標高3800mのドームふじはマイナス80℃の寒風にさらされるヘビーな赴任地だが、その生活を面白おかしく綴っている。

主に調理担当のようで、食べ物の描写が多いが、越冬隊って随分いいもの食ってるんだなぁと言う印象。ま、仕事が仕事だから贅沢が許されてもしかたあるまい。

個性豊かな面々9人(学者、研究者やサポート隊員などからなる)のドタバタをユーモラスに描写する手法は椎名誠の怪しい探検隊シリーズを想起させるが、状況の過酷さは段違いであろう。面白悲しい男9人の一年間の生活は何だか部活の合宿のようだ(笑)。

越冬隊の生活が垣間見え、その点でも興味深い。