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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ/橘玲

著者が十数年前に出版してベストセラーになった本に2015年現在の補足をした資産運用や投資についてのマニュアル本で、著者の他の著作と内容に共通する部分もある。

 
世に出回る金持ち本の要諦は「収入を増やす」「支出を減らす」「資産運用」の三つに大別されているとし、著者の主張もこれに沿って行われる。ただしこの手の本を読んだだけでお金持ちになれるなら世の中は金持ちだらけになるとしていて、まぁその通りではあろう。


資産運用が上手く行くかは個々の問題であろうが、税や社会保障費がいかにサラリーマンからの徴収偏重で成り立っているかが説かれており、その辺を読むだけでも目から鱗だ。税金は取りやすいところから取るのが当局のやり方だから、源泉徴収と年末調整で取り放題らしい(笑)。また、中小企業への税制がいかに優遇されているかも説いており、零細法人を作ることを提唱している(著者が実際にやってきたことらしい)。


日本人はリスクを取らないと言われていることについても反対しており、ローンで買う不動産はレバレッジ取り引きに他ならないと喝破していて、これもなるほどと思わされた。


社会や経済についても一家言ある著者からすると、日本の経済風土はかなりガラパゴスのもののようで、そこをいかに上手く生き抜かなければならないか、著者の発言は教えてくれる。ただ、その通りに実践するのはかなり難しそうで、結局お金持ちになれるのはそういう努力を惜しまない人なのだろうなぁと思ったことであった(笑)。