シュールな昆虫漫画「虫けら様」が面白かった秋山あゆ子が作画を担当していると言うことで読んでみた。昆虫や自然が題材の児童向けファンタジーである。
主人公のよりさんは、夫の転勤で自然の濃い田舎町に引っ越してきた四児（すべて男子）の母親で、濃すぎる自然にやや腰が引けている。近所の顔役ママ友すーさまは毛虫を踏みつぶし桜の毛虫を焼いてしまう強烈キャラだし、よりさんにとってはなかなかにスリリングな始まりだ。
すーさまに何故か虫好きと誤解され、毛虫やら芋虫やらが持ち込まれるよりさん宅だが、基本的には虫嫌いで、しかしやさしさを持つ人でもあり、託された命を何とか繋ごうとすと努力する。命を愛おしむ物語なのだと思う。時には不思議でややこしい生き物も出現するが（笑）。
よりさんの子供時代には小さな人が周りにいたらしいし（コロボックルシリーズを想起させる）、よりさんは風雅人の血筋だというくだりもあり、続編も楽しみだ。
某所の猫３
