本・花・鳥(ほん・か・どり)

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間道 見世物とテキヤの領域/坂入尚文 

東京芸大彫刻科を中退後、ジオラマや怪獣作成を仕事にしていた著者は、芸大の先輩に誘われ、グロテスクな蝋人形の見世物小屋に参加する。後には飴細工テキヤとなっているが、見世物とテキヤの業界や旅稼業の実態を綴ったノンフィクション。

「カンドウ【間道】 関道とも。わき道、抜け道、隠れ道、裏街道。地図にない間道はずっと昔からあった。ここを三寸ひとつで商売するコロビが祭りが終わるやいなや、ネタバレを恐れて夜を走る。見世物屋も馬賊もサンカもそして忍者や獅子舞も、この見えない間道をひたすら通り抜ける。」
三寸は屋台、コロビは露天商のことだが、周縁好きにとって何と魅力的な後書きだろうか(笑)。
間道―見世物とテキヤの領域