本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2009-01-05から1日間の記事一覧

間道 見世物とテキヤの領域/坂入尚文 

東京芸大彫刻科を中退後、ジオラマや怪獣作成を仕事にしていた著者は、芸大の先輩に誘われ、グロテスクな蝋人形の見世物小屋に参加する。後には飴細工のテキヤとなっているが、見世物とテキヤの業界や旅稼業の実態を綴ったノンフィクション。「カンドウ【間…

赤めだか/立川談春 

立川談志の弟子で立川流真打である著者が、高校を中退して談志に入門し、紆余曲折を経て真打になるまでを面白おかしく描いた自伝エッセイである。師匠への愛や、三歳年上の弟弟子で先に真打昇進を果たした志らくとの確執や友情、弟子の昇進問題を巡って師匠…

風は山河より/宮城谷昌光 

松平清康(家康の祖父)から始まる徳川家の創業を、野田菅沼家から描いた大河歴史小説。信義を曲げない代々の菅沼新八郎が爽快だ。 風は山河より 第一巻

新・大人の粋/立川談四楼 

「落語も出来る文筆業」を標榜する著者が、日刊ゲンダイに執筆した短文エッセイをまとめたもの。江戸しぐさなどもからめ、落語界に伝わる、謙虚さと思いやりのマナーである「粋」についてをユーモラスに語っている。亀田問題や、朝青龍と高砂親方との関係な…

チェスト!/登坂恵里香 

主人公の吉川隼人は、曲がったことが嫌いな活発な少年(小6)だが、水に対する恐怖が強いカナヅチで、学校の伝統行事である錦江湾横断遠泳大会を2年続けて仮病で逃避しているヘタレでもある。海の男である脳天気な父ちゃんの厳命で、ついに遠泳に挑戦しなけ…

あぽやん/新野剛志 

あぽやんとは、空港でツアー客に発券したり、トラブルの処理をしたり、お見送りをしたりする業務である(あぽとはairportの略)。ツアー客と現場で関わる重要な職務という感じがするが、本書では旅行業界の第一線ではなく、閑職扱いされているようである。上…

放送禁止歌/森達也 

ドキュメンタリー監督である著者がかつて番組で採り上げた放送禁止歌について、更に詳細に取材して記したスピンオフのノンフィクション。岡林信康の「手紙」「チューリップのアップリケ」、なぎら健壱の「悲惨な戦い」、赤い鳥の「竹田の子守唄」、つぼイノ…

ほかに踊りを知らない。/川上弘美 

雑誌「東京人」に連載している日記エッセイシリーズ「東京日記」の第二弾である。おかしさ、シュールさ、切なさに磨きがかかり、吹き出してしまう描写多々。東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

のぼうの城/和田竜 

下記参照 http://d.hatena.ne.jp/suijun-hibisukusu/20081229/p1

銀河英雄伝/田中芳樹

初版が四半世紀前になると言うスペースオペラの名作シリーズである。田中作品では以前に「七都市物語」を読んだことがあり、敵対する地域同士の政治的な関係の緻密さと重厚な戦闘描写に感心したものだが、同じ魅力が本作にも発揮されている。これはもう、馬…

李世民/小前亮 

唐の二代皇帝太宗の若き日である李世民が唐建国に奔命する姿を描いた大作中国史小説。本書の魅力は何と言っても李世民のキャラクターだ。李世民の律動的な足音がモチーフとなって現れるが、軍事的に危機に陥り、沈み込む唐朝廷に李世民の足音が響くだけで、…

2008年に読んだ本ベスト10

正月三が日はあっという間に終わってしまいますねぇ。まだ新春気分はあるものの、日常に戻ってしまって何かつまらないす。正月が二週間くらい続けばよいのに・・・(笑)。中国・韓国などでは旧正月を盛大に祝いますが、日本でもやれば良いのにと思いますね…