京都大学の新入生たちが妖しげなサークル京大青龍会にスカウトされ、主人公の安倍は、タダメシのためのみに新歓コンパに出かけていくが、高貴な鼻を持つ女性に一目惚れし、サークルに入ることを決意。そして妙ちきりんなドタバタの幕が開く。
京大青龍会は式神を闘わせて試合をするのが目的であり、同志社、京産、龍谷にも同様のサークルが存在する。スカウトされたのはそれなりに式神使いの素質を持つ輩であり、トンチキなな京大生たちの愛と青春の物語が展開されていくのである。
自意識過剰のおかしな京大生がドタバタと活躍するユーモアファンタジーという点では森見登美彦と似通うが、森見登美彦作品のアナクロい学生と違ってあそこまで理屈っぽくもないようだ。もっと直情的かもしれない。
ともあれ、馬鹿馬鹿しさと純情がほどよくミックスされた快作だった。