本・花・鳥(ほん・か・どり)

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61歳の自動二輪小型AT免許挑戦記⑩四度目の正直

二回目の卒業検定に不合格となってからもう合格するまでこのネタは封印すると決めた。


十日ほど前に受けた三回目の検定も不合格。敗因はすべて一本橋である。二回目の検定時には入りの速度が遅いと指摘され、三回目(検定員は二回目と同じ)には、入りの速度はよかったが失速して脱輪したと指摘された。


検定不合格時には補修教習があり、二回目も三回目もひたすら一本橋の練習に明け暮れた。二回目の補修教習時には七割くらいの成功率かと思い、今度は行けるかなと思ったがあえなく脱輪。


もっと成功率を高めねば合格は覚束ないぞと思い、中免持ちの友人のアドバイスを受けたり、ネットで情報を集めたりして三回目の補修教習へ(五日前)。教習中に一本橋を十二本やって脱輪が二回。やっとコツが掴めて来た感だが、出来れば教習時間内にこのコツを掴ませて欲しかったな。


そして臨んだ本日の検定だが、あにはからんや午前中に腹下し。うわ、これはまずいぞと思い、正露丸を服用して教習所へ。ゴロゴロ鳴る腹を抱えてどうか検定までは催しませんようにと祈る。集められた教室で30分ほどのガイダンスがあり(四回目ともなれば慣れっこだ)、その間は何とか保ったようなので、これはもう大丈夫かもと思うことにした(実際、教習所を後にするまで問題なかった)。


ちなみにこのガイダンスでは検定に関する動画を見せられ、手順とかコースとかが説明される。最初のうちは軽快なBMGだが、急に不安をあおるような曲調に変わり、検定中止事項の説明が始まる。この演出は毎度嫌なもので、なんとかしてほしい(笑)。一本橋の失敗(乗れないとか足つきとか脱輪とか)も検定中止事項だが、いきなり検定がストップするわけではなく、課題は最後まで受けさせられるので、失敗が分かってて続けるのも切ないものだ。


クランク、S字、急制動、指示速度等は今まで問題になったことがなく、課題は一本橋のみ。今回も一本橋の停止線に至り、何とか気持ちを落ち着けようと深呼吸。遠くを見るとか入りの速度とか足は内股にとか失速しないようにアクセル開け気味とか、すべてのコツは意識の外に吹っ飛び、終わるまでの記憶はほとんどないが、何とかスルスルと渡り終えることができ、残りの急制動。指示速度、坂道発進をやって検定終了。


この後、他の受験生が終わるのと、結果の集計が出るまでが二時間ほどあり(小型ATは最初に検定を受けるのでいちばん待ち時間が長い)、脱輪して不合格が分かっていると不毛な二時間だが、今回は多少の手ごたえがあったのでさほどイライラせずに本を読んで過ごした。


で、検定員が入ってきて結果発表。三回の失敗経験では不合格者がまず呼ばれ、外に出されるので、自分が呼ばれなかったことにホッとしたが、まだ油断は出来ぬ、もしや合格者が先に呼ばれたのかもしれないと疑心暗鬼になるのは四回目受験の卑屈さか(笑)。三人の呼び出しが終わった後、あとの人は合格ですと言われ、大いに安心したのであった。


検定中の走行に問題があればちょっとした講評があるが、自分には「一本橋、よく渡れてましたね」という一言を頂き、あぁ苦労が報われたなぁと思ったことである。今回の検定員は教習の時に一度お世話になり、検定員としては初めてだが、自分が一本橋苦手ということを把握していたのだろう。ちなみに小型二輪の一本橋は規定時間五秒で、一秒マイナスするごとに五点の減点らしいが、特に減点の言及がなかったので、他の課題も含めて問題なかったようだ。


その後卒業式という段取りだが、試験場での手続きやらの簡単な説明で、卒業証明書を受け取って解散となった。もうここに来ることはないのかなとちょっとおセンチな気分になったりしつつ教習所を後にした。


第二段階の見きわめから三か月以内に検定に合格しないと教習が無効になると言われており、三か月あれば何とかなるだろうと高を括っていたものの、見きわめから一か月ほど不合格が続いていたのでもしやこのまま終わるのではという不安もあった。教習の申し込みから三か月は経過しておらず、まぁ何とかなったなぁと・・・。やれやれ。


ともあれ我ながら六十路ライダーの誕生を寿ぎたい(笑)。


免許が取れても乗れないけどかっこいバイク Cadwell125

イギリスのAJSというメーカーが作っている。バイク雑誌で見て一目ぼれ、クラシカルなスタイルがなんとも言えず魅力的だ。