本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

心房細動と救急車

発作性心房細動という頻脈性不整脈を持っている。初発発作は20年ほど前で、夜中に5分間ほどの動悸が続き、このままどうかなるんじゃないかと非常に不安だった。後日、受診した内科で心房細動であろうと言われ、自分で調べてみた結果、即座に致命的な心臓疾患ではないが、発作が48時間以上続くと血栓が生じて脳梗塞を起こすことがある、などの情報を得た。因みに長嶋茂雄オシムも心房細動からの脳梗塞であるらしい。それもこわいが、発作時に胸部や喉を締め付けられるような圧迫痛があり、不快なのだ。

その後、数年は発作らしい発作はなかったが、10年ほど前、亡父の一周忌の時にドキドキし始め、6時間ほども続いた。散会したらそのまま救急病院へ行こうと思っていたが、散会の頃に治まってしまった。

以後、時折短時間の発作が続くことはあったが、医療機関へ行く前には止っている感じでなかなか確定診断のチャンスがなかったが、8年前、発作の出た時に救急病院に駆け込み、心電図で確定診断となった。

以前なら一ヶ月に一回くらいだった発作が段々頻回になってきて、数日に一回とか出てくるようになり、煩わしくしょうがない。効果のある抗不整脈薬を求めてあちこちの医療機関ドクターショッピングしたが、リスモダンもサンリズムも効かない。しかるに、最後に行った病院(心臓治療で有名)で処方されたシベノールが効果を発揮し、この5〜6年は発作と無縁だったのだが、ついに薬が効かなくなったのか、二週間前に一度、そして昨日も発作が出てきてしまった。

二週間前は2時間程度で発作が止まったが、昨日の発作は3時間経っても止まらない。48時間以上続くと血栓を生じる可能性があるとかで、このまま止まらなかったらどうしようと恐くなり、シベノールを処方して貰った病院の分院クリニックに行ってみたが(血栓予防の血液サラサラ薬を出して貰いたかった)、本院へ行けと救急車を手配されてしまい、患者としては初めて救急車に乗ることになった。救急車が到着する前に発作が止まっていたので、搬送される必要は感じなかったが、それでも行けというので致し方ない。

寝ながら車で移動するというのは相当に気持ち悪いもので、元々自律神経のせいで頭重と軽い吐き気があるのに、拍車がかかってしまった。

救急へ運ばれて、レントゲン、心電図、血液検査等をされたが、発作が止まっているので異常も見つからず、そのまま帰されることに。無駄な検査代を取られた感。

心房細動などの不整脈にはカテーテルアブレーションという治療法がある。以前なら開胸手術だったが、鼠径部や腕からカテーテルを入れ、心房の誤信号を出す部分を焼いてしまうというもので、体への負担は格段に少ないに違いない。それでも小手術みたいなものだから、なかなか踏み切れないでいる。心房隔壁に穴を開けるなんて言われたら、ビビりだからなおさら(笑)。

カテーテルアブレーションが手術と決定的に違うのは、施術するのが外科ではなく、循環器内科医であること。外科手術ではないのだ。ちゃちゃっと簡単に済むと思えば、そろそろ覚悟を決める潮時かもしれぬ。