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発作性心房細動治療のカテーテル・アブレーション体験記2 入院とカテーテル・アブレーション本番

シベノールが効かなくなってから処方されていたタンボコールはカテーテル・アブレーションの二日前に中止。施術中に人為的に心房細動を起こさせるたりするらしく、発作が出なくては困るらしい。断薬中、発作が出て欲しいような、出たら気持ち悪いような心持ちでいたら、入院当日、病院へ向かう途中に発作が出てきてまぁホッとした(笑)。

 

入院手続きの後、心臓センターのカテーテル前室にて体温や血圧を測定され、点滴用の針(ルートと言うらしい)も注射された。その後、病室に案内され、お着替えして待機。鼠径部からのカテーテル挿入と言うことで剃毛があるということもネットの情報で知っていた。自分で剃ったり看護師さんがやってくれたりと色々あるようだが、自分の場合は看護師さんがやってくれた。パンツを局部が出ないくらいに下げ、電気カミソリのようなものでジョリジョリやった後、粘着コロコロで細かい屑を拭い去られるというもので、なにかほのかに可笑しい(笑)。

 

そしてもう少し待機かと思っていたら看護師さんの携帯(院内連絡用のPHSであろう)が鳴り、ちょうど自分の番であると告げられる。じゃパンツも脱いでくださいと言われ、前貼りのごときもの(アダムとイブのイチジクの葉を想起されたい)を貼られてスッポンポンの上に甚平の上だけ羽織り、何とも頼りない心持ちで再びカテーテル前室へ。座って待っているのは正にまな板の上の鯉の心境で、特に恐ろしさは感じなかった。

 

経験者のブログなどを読んでいると、カテーテル中の麻酔に関しては、局部麻酔(カテーテルを挿入する部分)のみもあれば全身麻酔もあり、局部麻酔だと痛みを感じることもあるらしいのが不安ではあった。

自分の場合は静脈麻酔(胃カメラの鎮静剤と同じ)で眠った状態になると聞かされ、術中の様子が分からないのはやや残念かもと思いつつ、それはそれで安心。手術台(本式の手術ではないから手術台と言っていいのか分からぬが)に寝かされ、麻酔が注射されたらあっという間に意識がなくなり、気が付いた時には終わっていた。

 

心臓に針が刺さる(右心房と左心房を隔てる心房中隔に穴を開ける)ゆえか、食道にモニターが入っていたせいか、麻酔が覚めた後に胸部に痛みを感じ、頻りに「胸が痛い」「胸が痛い」とうわごとを言っていた記憶がある(笑)。

 

施術後は、カテーテルを挿入した傷がふさがるように3時間の安静を強いられるが(血栓予防のためにフットポンプを装着される)、寝返りが打てないのでこれがなかなかに辛かった。麻酔が覚めきらないのでボーッとしており、しかし腰痛や体のだるさはひしひしと感じるので眠りこけることも出来ず、ひたすら3時間が過ぎるのを待つのみ。「あと何分ですか」などと夢うつつに看護師さんに聞いたのを覚えている。

 

この間、排尿の問題がある。経験談ブログを読んでいると尿道カテーテルを挿入されたと言う人が多く、「この痛みが一番辛い」などと書かれているので覚悟していたが、カテーテルではなく、尿道口付近にキャップを被せられ、それがホースでパックに繋がっていて尿が溜まる方式だった。それはそれで一安心だが、実はこれが結構厄介で、尿意を覚えても普段にする時のように自然には排尿出来ないのである。力んで意識的に押し出す感じで、尿瓶を使うのってあんな感じかしらんと、ちょっと高齢者の気持ちが分かった。

 

3時間で寝返りの許可、更に数時間の安静後、歩行の許可が出てトイレに連れて行かれ、先っちょホースを外されてパンツの許可。何かヒトに戻った気分だった。

 

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37年ぶりの入院ベッド