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発作性心房細動治療のカテーテル・アブレーション体験記1 入院前

カテーテル・アブレーションを受けるため3日間入院した顛末。

 

 

薬を服用していて5年ほどは発作が出なかった心房細動(頻脈性不整脈)だが、ちょこちょこと発作が出てくるようになり、先延ばしにしていたカテーテル・アブレーションを決意。

 

心房細動は、肺静脈あたりから発する誤信号が心房を300~400回/分で振るわせ、それが120回/分くらいの頻脈となって現れる。それ自体はただちに致命的な不整脈ではないが、発作が48時間以上続くと心房内に血栓を生じ、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがある。

 

長嶋茂雄オシムの罹患したのが心原性脳梗塞だし、何より、伯母が心原性脳梗塞で息を引き取っている。自分の発作はたいがい長くても4時間くらいで治まるので、今のところは脳梗塞を起こすことはなかろうが、次の発作は長くなるのではないかという不安も常に付きまとう。

 

5年前、あちこちの医療機関へ行っても効かない薬ばかり処方されるので、近隣では心臓治療で有名な湘南鎌倉総合病院を受診した。ここで処方されたシベノールがよく効いて発作が出なくなっていたのだが、発作の出現に再び同じ医師を受診。血栓予防薬が処方されるようになったが、これが結構お高くて、一年分くらいで発作性心房細動の決定的な治療であるカテーテル・アブレーションの費用くらい出てしまうなぁと思い、この治療をを受けることを決意した。

 

ネットでカテーテル・アブレーションに関する情報を見ていくと、経食道心臓エコーが苦しいという話をよく目にする。心房に血栓が生じていないか、食道からエコーで診るというものだが、胃カメラよりも太い管が入っていくとかでとてつもなく苦しいらしい。胃カメラが大の苦手としては恐ろしくしかたなかったが、年齢的に必要ないということでCTのみでOKとなり一安心。カテーテル自体より食道エコーの方が実は恐ろしかった。

 

カテーテル・アブレーションは、鼠径部と首の血管にカテーテルを挿入し、心臓まで届かせて誤信号を伝達する肺静脈と左心房の経路を焼灼してブロックするという治療である。これで心房細動発作が起きなくなる訳だ。

 

従来は高周波電流カテーテルアブレーションという方式が主流で、熱で伝達経路に火傷を起こさせるというものだが、数年前から液体酸化窒素の入ったバルーンで凍傷を起こさせるクライオ・アブレーションという方式が始まっている。バルーンなので一気に広い面積を焼灼でき、短時間で済むと言うのでこちらを受けることにした。