本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

プリズンホテル

プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫)
プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)
プリズンホテル 3 冬 (集英社文庫)
プリズンホテル〈4〉春 (集英社文庫)

安倍譲二同様に極道作家の異名を取る浅田次郎は、「極道放浪記」「勇気凛々ルリの色」などの爆笑犯罪スレスレエッセイも面白かったが、創作ができるのが強みなのだろうなぁ。何度かの逮捕歴はあるものの、釈放されたり無罪判決だったりで、ついに刑務所入りはなかったそうだ。傍目から見ると箔が付きそうな気がするが、入らないにこしたことはないそうで・・・。

閑話休題、ヤクザの大親分が経営する温泉ホテルでの痛快爆笑ドタバタ人情劇を描いたプリズンホテルシリーズは、何とも小気味良い、カタルシスたっぷりの小説である。獄中物ではないが、タイトルのプリズンがあるので(このホテルは、犯罪者たちが刑務所出所後に疲れを癒しに来たり、出頭前に楽しんでいったりする)。

獄中記というのはどうも癖になるようで、何冊かを読了済みだ。普通の人の目には明らかにならない閉鎖的な世界で特異な経験を経てきた人間たちばかりなのだから、興味深いことは間違いないが、そう言っては失礼か。自分自身は閉所恐怖症なので(MRIが大嫌い(笑))、幽閉されるというのは耐え難いと思う。