本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

地球でハナだけ/チョン・セラン

主人公のハナは洋服をアップサイクルするような個性的なブティックを営む、自立的で穏やかな女性である。付き合って11年になるキョンミンは自由気ままで幼稚な男で、カナダに流星群を見に行くと行って隕石落下事故に巻き込まれて行方不明に。そして戻ってきたキョンミンは人変わりしたように常識的で優しい男になったいのだが・・・。以下ネタバレ。



















戻ってきたキョンミンは実は宇宙人で、本物は宇宙へのフリーパスと引き換えに顔と名義を宇宙人に渡していたのである。新キョンミンは半分鉱物で組成されていて、高度な文明を持っており、母星からハナを見て一目惚れしていたらしい。そして、ハナはそんな新たなキョンミンに魅了され、宇宙ラブロマンスとなるのであった。


他の星々の描かれ方や宇宙人の人間関係の機微など、さすが才人チョン・セランという感じ。基本的にはラブロマンスだが、終わりにちょっと皮肉なスパイスが効いていてこの辺も上手いなぁと思った。なお、韓国語のハナは固有語の「ひとつ」でもあるので、地球でひとつだけという語呂合わせになっている。