吉野北高校図書委員会続編。
温厚で人間の器量が大きく、委員達から信頼されている委員長の岸本一(ワンちゃんと呼ばれている))は、家では幼い弟妹の面倒も見るしっかり者だが、年齢なりに迷いや悩みもあり、進路のことで祖父と衝突、熱に浮かされた頭で図書室へ行くと、ほんわかと優しく癒し系のはずの牧田先生(司書)がくわえ煙草で大音量のパンクロックを聴いているというあり得ない場面に出くわし、更に混乱に拍車がかかる。
つい「先生には似合わない」と非難して後で後悔するのだが、それは恋ではないかと友人に指摘されてうろたえる委員長が可愛い(笑)。
迷いつつも少しずつ成長していく高校生の姿に好感が持てるシリーズだ。併録の「希望の星」はシリーズ一作目で主人公の一人だった藤枝高広が未だに川本かずらを想い続ける純情を描いている。駄目な自分を意識しつつ、周囲の人間を思いやり、何なとかなろうともがく姿が爽やかだ。みんないい奴だなぁ・・・。