本・花・鳥(ほん・か・どり)

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光学機器における子供騙しについて

野鳥観察を始めたら双眼鏡が欲しくなりました。

当初、カメラメーカーがアウトドアブランド名で出している数千円のものがお手軽でよいかなと思ったのですが、ちょっと調べてみたら、どうも今ひとつの感が・・・。

双眼鏡は、最低でも1万円程度、標準的な機能を求めるなら2万円は出費しなければならないようで、最低求められる条件に合致するものを探していって見つけたのが下記のビクセン アトレックHR8×25WPです。
http://www.vixen.co.jp/bino/atrek.htm

メーカー価格17000円前後、実売13000円前後の商品で、プリズムの品質(Bak4)、マルチコート、完全防水(窒素充填)、ハイアイレリーフ(眼鏡を掛けていて接眼部から離れて覗いても、見える像がが小さくならない)など、まともな双眼鏡の条件を満たしていて、某巨大掲示板の格安鳥見双眼鏡スレッドでもそこそこの評価を得ていました。

で、これをアマゾンにて申し込み(価格は1万1000円ちょっと)。本当は実物を試してみたかったのですが、近所には安物双眼鏡を置いているホームセンターしかなく、評判を信じての購入でした。一昨日の野鳥観察会において使用してみたところ、くっきりと拡大される画像に感激、やっぱりこれにしておいた良うございました(笑)。

双眼鏡の倍率は、手持ちでぶれずに見えるのは10倍程度みたいです(それ以上は三脚が必要)。新聞の通販広告で100倍双眼鏡などというものを見かけることがありますが、こういうのは疑ってかかった方が良いようですね。

高倍率は、あまり事情に詳しくない素人に対してのアピールポイントなのでしょう。これはカメラにも言えることで、昨今の高画素化競争なども同様のようです。フィルムに比べてとても小さな撮影素子を高画素で分割すれば、一画素あたりの受光量が減ってきれいな画像にならないのだとか。

素人騙しというか子供騙しというか、こういう手法はフィルムカメラの時代からありました。

コンパクトカメラが20年ほど前からズームを搭載して消費者の目を惹こうとするようになり、モーターを搭載するために一番大事なはずのレンズがおざなりにされ、重量が軽い口径の小さなレンズ(暗いレンズ)になっていきましたが、口径の大きな明るいレンズは、開放にすることで背景をきれいにボカしたり、早いスピードでシャッターを切ることが出来たり(ブレを防げる)、きれいな写真を撮るために必須だったはずなのです(因みに、今手元にある壊れたC社製コンパクトカメラは25年ほど前の購入ですが、単焦点F1.8という明るいレンズが付いてます)。

双眼鏡もカメラも光学機器という点では同じで、網膜、フィルム、CCD(撮影素子)等に美しい映像を投射することが使命です。子ども騙しは止めて、美しい見え方(映り方)という原点に戻れ!と猛省を促し、本日の主張の締めくくりと致します(笑)。

ご精読ありがとうございました。



余談:双眼鏡については下記の「双眼鏡愛好会」がとても勉強になります。
http://binoculars.at.infoseek.co.jp/