本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

空をこえて七星のかなた/加納朋子

すべて星や宇宙をモチーフにした短編集。どの話も読ませるが、幾つかの短編に登場する七星(ななせ)という少女がポイントになっている。


七星と父親は小学校の卒業記念旅行に石垣島へ赴く。母親は遠いところへ行ってしまい、二人で暮らしているという設定だ。そしてそこで出会う人々に様々な伏線があり、ミステリー作家らしくそれが読ませる。


七星の母親はスーパーウーマンであるらしく、そこにコンプレックスを持っている七星だが、それも後の伏線として生きてくる。


どの話も克己や成長が再生がテーマになっており、読後感良し。