人気グラビアタレントとして華やかな生活を送っていた蓮美は、仲の良かった友人(やはりタレント)の沙霧が蓮美への恨みつらみをブログに発表し、自殺したことでどん底に突き落とされる。
6ヶ月の間引きこもり、端から見ても分からぬほどに太ってしまった蓮美だが、謎を解明しなければ自分も死んだままだ決意し、ついに動き出す。友人の助けも得て徐々に謎に迫っていくくだりがスリリング。
引きこもった状態から復讐のために立ち上がる蓮美を巌窟王になぞらえ、筋運びといい、真相の気持ち悪さと言い、迫真のサスペンスであった(ラストが更に・・・以下略)。著者はいろいろな世界を題材にミステリーを書くが、それぞれの世界をきちんと構築してしまうなぁと感心する。