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新車生活3 セダン返り

車選びをしている頃、持病の脊柱管狭窄症を悪化させた老母が入院していた。病院の駐車場が有料で、100円でもいいから何か買えば買えば三時間駐車が出来る病院そばのショッピングモールをよく利用しており、モール内で開催される(元)国民的大衆車ディーラーの展示会を時々覗いていた。

ちょうど(元)国民的大衆セダンがモデルチェンジしたばかりだったので、見せて貰おうと思ったら記者発表が終わったところで実車はない由。それでもパンフレットを貰い、ついでに後部席の広さについて聞いてみたところ、ラクティスより広いと言うことだった。

(元)国民的大衆セダンは30年くらいトップセラーであり続けたが、コンパクト、ミニバン、ハイブリッドの台頭で5ナンバーセダンは昨今あまり関心を惹かず、かつてのオーナーになったような人たち(車にあまり多くを求めない保守的ドライバー)はプリウスに移行しており、継続してオーナーだった世代(平均60代)が顧客の中心層になるとか。つまりは夢も希望もない車だが、車にあまり思い入れを持たず、快適に移動できればOKと思っている自分のようなドライバーには案外良さげに思える。

事故に遭った自車はいわゆるステーションワゴンである。以前からワゴンに憧れがあり、乗ってみたのだが、実はそれほど使い勝手の良くないことが分かった。もちろん荷物を沢山積んでお出かけとか、大きな買い物をするときには便利だ。しかし家族は少ないし、ごくインドアな人間でアウトドア生活とは縁がないし、昨今の家具屋やホームセンターには軽トラの貸し出しがある。テールウィンドウから後ろが見えないほどに荷物を積むことはまずなく、普段は買い物くらいしか乗せないから、つまりはトランクで十分なのだ(先日ニトリでダイニングチェアを買って積んできたが、あれくらいならセダンの車室にも入るんじゃなかろか)。

防犯の問題もある。ワゴンだとガラスを割れば簡単に荷物が盗めるが、トランクなら荷物が見えないし、解錠するのに手間がかかるから車上狙いもやりにくそうだ。そして、独立した荷室であることで直射日光を遮れるのも大きなポイントだし、車の後ろにワゴン・ミニバンのテールゲートを開けるほどのスペースが要らないから、狭い場所でもリッドが開ける。追突されたときにトランクが潰れしろにもなるし、なんだ、結構いいことあるじゃないか(笑)。

まぁ、そう言った感じでセダン返りを考えていたところにモデルチェンジがあったのだから興味を惹かれない訳がない。過日、ホンダディーラーでフリードを見てから近所の(元)大衆的国民セダンディーラー前を通りかかったら新型セダンの展示車があったので寄り道。ラクティスも扱っているので両車について聞いたりいじったりしていると営業さんがやたらとグイグイ押してきて、説明が丁寧だし事故車にもそこそこの下取りを付けてくれたりして、なんだか分からないうちに(元)国民的大衆セダン申し込み書にサインしてしまった(笑)。