本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

仙台散策 宮城県美術館

石巻での葬儀の前日に仙台の奥座敷秋保温泉に宿泊したため、仙台を散策。

宮城県美術館に寄ってみた。小企画展は「宮城の画家 大沼かねよ・二宮不二麿・加藤正衛」。どれも知らない画家だが、社会的なテーマを描く大沼かねよの作品には迫力があった。

常設展では洲之内コレクションの松本竣介の「画家の像」「白い家(ユトリロっぽい)」や長谷りん治郎の「猫」http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0530/index.html が見られたし、「池袋モンパルナス/宇佐美承」に出てきた長谷川利行、清水登之、靉光などの絵を確認することが出来た。

松本竣介の自画像はいかにも東北の木訥な二枚目という感じで、親戚の兄弟と似通うような感じがあるのだが、東京生まれなんだな。芸術を戦意高揚に利用しようと圧力をかけてきた当局に対して抗った松本竣介だが、静かな決意の見て取れるような表情だ。

宮城県美術館は庭もなかなか凝った作りで、アリスに出てくるキャラクターのオブジェを並べた回廊なども面白かった。

併設する佐藤忠良記念館(佐藤忠良は震災後に亡くなっている)も見てきたが、ジーンズだけとかシャツだけとか帽子だけとかの半裸の女性像などは70年代のピンナップのような感じが。娘の佐藤オリエの60年ほど前の頭像が興味深かった。

宮城県美術館は緑豊かな環境の中にあり、単に展覧会場だけにとどまらず、庭を散策できたり、美術関連の研修施設があったり、県の総合美術センターという感じがあって面白かった。震災後閉館していたものが、ちょうど訪問した日が口開けだったようだ。


美術館の建物(うさぎのオブジェが顔を出している(笑))