本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

ある本を放擲

新聞に、とある地方出版社が売り出した中年作家のことが出ていまして、
ちょっと興味があったので図書館で借りてみましたが、
マチズモと嘆美と自己陶酔が混ざったような文章が受け付けられず、
2ページ読んだところで放擲しました。

この文章の感触は誰かに似ていると思いましたら、丸山健二ですね。
30年ほどのあいだ信州で暮らす孤高の作家は、
70年代以降の若者を「軟弱」「女々しい」と決めつけ、
二輪や四駆やパラセールなど、アウトドアを駆けめぐる己の肉体を
誇示するようなエッセイを書いていましたが、
それによく似ていたように思えます。
(作家業としての蓄積がまるで違いますが)

男らしさを売り物にする作家は、若い頃には多少の憧れを持ちましたが、
昨今では鼻につくばかりでございます。