本・花・鳥(ほん・か・どり)

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煙草千円論

本日のエントリは、喫煙者の方には不愉快な内容かもしれないことをお断りしておきます。


笹川陽平氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/笹川陽平)が、煙草に高額の税をかける煙草一箱千円論を唱えたのが話題になっています(超党派議員連盟も出来ているようです)。

日本は先進各国の中で煙草が安すぎる、煙草が一箱千円になれば未成年者は手を出しづらくなり、禁煙する人間が増えて健康増進となり、税収が増えて医療費に充てられるので良いこと尽くめだ、という論旨らしいです。

禁煙ファシズム反対の立場を執るジャーナリスト(非喫煙者だそうです)は、医療費に関し喫煙者にのみ狙いを付けて差別するのは後期高齢者医療制度と同じことだと述べているそうですが(新聞記事より)、ちょっと待って欲しい。後期高齢者医療制度の対象者である高齢者への道は、生きていれば加齢によって否応なく辿ることになりますが、喫煙は自ら選んだ嗜好でしょう。高齢者と同一視するするのは誤謬だと思います。

一箱千円はぶっ飛びすぎにしても、喫煙が健康に害を及ぼし、無駄な医療費を発生させているのはおそらく間違いないことでしょう。私は迷惑を受けない限り、ひとさまに対して禁煙を強いるものではありませんが、煙草に対してあらかじめ医療費コスト部分を上乗せしておくとかの手段はあっても良いんじゃないかと自サイトの日記(4月15日)に書いておりますので、笹川案に関しては「条件付き賛成かも」というくらいの立場です。税収が9兆円になるとか言って喜んでいる試算もあるようですが、それこそガソリン税のように「健康保険特定財源」として組み入れて欲しいものですな。

それにしても、この笹川さんはあの笹川さんの子息ですよね。要するに公営賭博に関わる方ということで、賭博も煙草同様に公益とは言えないような気がしますが、税収があるという点ではどちらも公益なんでしょうか。

私の父は、喫煙を止めてから10年ほど生きましたが(少しは寿命が延びたかもしれません)、COPDなど、やはり長年の喫煙による害は小さくなく、あまり健やかな晩年とは言えませんでした。1日50本ほど吸っておりまして、それでも81歳まで生きられたので、まぁ良しとすべきなのかもしれませんが・・・。だからどうしても喫煙に関しては懐疑的になってしまいます。アルコールも食物も、度を過ごせば有害であることでは同じなんですがね。