本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

100万回生きたきみ/七月隆文

転生をテーマにした恋愛ファンタジー(タイトルは佐野洋子の名作みたいだが)。


女子高生の美桜は100万回転生していると言う記憶を持っており、すっかり人生に倦んでいて投げやりに生きている。ある日、どうでもよくなって校舎から転落するが、幼なじみの洸太が超人的な跳躍力で助けてくれた。そして洸太は自分は英雄であると打ち明けるのだった。


洸太の前世タラニスは古代ケルトの英雄で、女神への誓いを破り、美桜の前世であるミアンと愛し合ってしまったがゆえに罰として転生を繰り返すことになったのだった。


前世での二人の出会いが何とも初々しく、切ない恋愛ファンタジーになっている。ライトノベルだからご都合主義の感があるし、タイトルは佐野洋子っぽいし、転生の記憶をすべて持っていると言うところは梶尾真治エマノンシリーズを思わせたが、芯の部分ではオリジナルの作品なのであろう。面白かった。