義母の認知症を義母の一人称で語っているノンフィクション・ノベルとでも言えるだろうか。認知症患者からはこういう風に世界が見えているのかと思わされる。
義父は脳梗塞のリハビリ中で、妻の認知症に苦労させられているが、そういう顔を見せる夫は夫にそっくりのロボットであり、偽者退治とばかりにテレビのリモコンで殴ってしまったり、夫のベッドに若い女が潜り込んでいると思い込んだり、悪徳水道工事業者に騙されたり、プライドの高いまま周囲に苦労を掛ける有り様がリアル。自分は亡母の被害妄想に苦労したので身につまされもする。
ページ数が少ないし、サクッと読めてしまう面白さがあるが、ぞっとさせられもする。家族は大変だろうなぁ・・・。
