本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

新参者/東野圭吾

日本橋署の刑事、加賀恭一郎を主人公とするミステリー。


小伝馬町のマンションで40代の女性が殺された。主に捜査に当たるのは警視庁捜査一課だが、所轄の刑事として頻繁に現場周辺を歩く加賀は、飄々とした態度で人々の間に入り込んで真相に迫っていく。


一見、事件とは関係なさそうな小さな謎を丹念に解き明かし、それが事件の真相に繋がっていくというなかなかに凝った構成で、読み応えがある。


日本橋という情緒ある土地の風情や人情を謎解きに絡めていてこの辺も本書のキモ。


ただ、被害者を含めて登場人物たちに未熟な人間性が見られ、ちょっと何だかなぁであった。