本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

リアスの子/熊谷達也

気仙沼をモデルにしたと言われる仙河海市を舞台に、中学教師の奮闘を描いている。


語り手の和也は32才の数学教師で、陸上部の顧問をしている。持ち上がりの三年生の担任となる一学期が始まる直前、転校生を担当することに。急遽の転校生には何か事情があるのかもしれないと思われたが、スケバンファッションで現れた早坂希に学校は騒然、なかなかにスリリングな幕開けである。


教師に反抗的な希は様々な問題行動を起こすばかりだが、和也は諦めずに丹念にアプローチしていく。


物語はいい方向に向かっていくのだが、友達のために万引きをするような問題行動の背景が簡単過ぎるような気もする。まぁそれでも読後感は良かった。