新大久保に住み着いたライターが街の現状をつぶさに記したルポ。
ヨン様ブームに沸いた第一次韓流ブームの頃に大挙して観光客が押しかけ始めたというのは有名だが、その後に流行り廃りがあって、現在はベトナム人やネパール人が多く集まっており、多国籍の様相を呈しているという。
日本で一旗揚げようと考えている外国人はたくましく、ベトナム人のガールズバーやら、韓国料理店を経営するベトナム人やら、自国人向けのフリーペーパーを発行するネパール人やら、なかなかにカオスで面白そうだ。
もちろん外国人なんてとんでもないという旧弊な日本人がいて軋轢もあるようだが、そこを乗り越えようと多文化共生を掲げている街のようだ。
江戸時代に鉄砲同心百人が住み着いたのが新大久保=百人町の始まりで、元々「よそもの」が作ってきた街なのだという著者の論はどこまで本当か分からないが、街興しのキーワードが「よそもの」「わかもの」「ばかもの」であることを考えると、二項目を備えているようではある。
宗教も、モスクやら媽祖廟やらヒンドゥー廟やらがあって正に混沌。
旅ルポを読んでいるようでもあり、日本の中の異世界という感じでちょっと遊びに行ってみたくなった。