本・花・鳥(ほん・か・どり)

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きのこのなぐさめ/ロン・リット・ウーン

ノルウェーで暮らすマレーシア女性(社会人類学者)が、きのこの魅力に取り憑かれることで夫に先立たれた悲しみから立ち直るまでを綴ったきのこエッセイ。


形、味、香り、毒の有無など、きのこの詳細を語りつつその魅力に触れていく。レアなきのこの出る場所をきのこ愛好者がそっと仲間に教えるなどというくだりは野鳥愛好者と通ずるものがあり、自然好きは似通うのだなと思ったことである。


きのこは確かに面白い。形や色など様々で、その形態も生態も魅力的である。写真などを見ても楽しいと思うが、ここまで取り憑かれる人々がいるということは知らなかった。


正直なところ、未亡人になった悲しみと、きのこに関する記述が脈絡なく繰り返されるので、どの辺で慰められたのか分かりにくいが、全編を通して読むと何となく分かってきたような気がする。


きのこのなぐさめ

きのこのなぐさめ