本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

六人の探偵たち/アーサー・ランサム

今回はオオバンクラブ物語の続編になり、トム、ジョーとピートとビルのデサンドグローリ(死と栄光)号三人組+ドロシアとディックのDきょうだいが、三人組にかけられた嫌疑を晴らすべく奮闘する。

オオバンクラブの周辺で、船が流される事件が頻発。そばにデサンドグローリ号がいる時ばかりなので、三人が疑いの目で見られ、警官や町の大人達から白眼視されることに。友人たちは彼等の無実を信じているが、他人の目にはそうは映らない。休暇でやってきたDきょうだいが合流すると、想像力豊かなドロシアが探偵、様々な知識を有する自然科学オタクのディックが鑑識となり、真犯人をあぶり出していく。

真相が詳らかになる解決もさることながら、町の鼻つまみになっていく様子や真犯人の卑怯さなども克明に描かれ、児童文学としてはなかなかにスリリングな展開。気のいい釣り師とのやり取りが楽しく、ラストのオチも気が利いている。最後までハラハラドキドキが続き、シリーズの中では異色だった。