本・花・鳥(ほん・か・どり)

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ヤマネコ号の冒険(上・下)/アーサー・ランサム

ツバメ号とアマゾン号の子供たちが船に乗って野外を楽しむランサム・サーガシリーズの第三弾談。今回はヤマネコ号というスクーナーで外洋航海の旅に出る。

キャプテン・フリントが用意したスクーナー「ヤマネコ号」は、ウォーカー4きょうだいとアマゾン号姉妹を乗せて出帆する予定だったが、キャプテン・フリント(アマゾン海賊を名乗るブラケット姉妹の叔父で、遊び好きの自由人)の友人が来られなくなり、代わりに老船乗りピーター・ダックが乗組員となる(ピーター・ダックは子供たちが作るお話しの中の人物だから、この物語全体が劇中劇ならぬ作中作ということかもしれない)。

そして、ピーター・ダックのお宝話でキャプテン・フリントに火が付き、宝探しの旅へ出発するのだが、ピーター・ダックの宝を付け狙う悪党一味がヤマネコ号を追いかけて・・・、という展開。

子供たちだけで海賊の襲撃を出し抜けるのか、宝は見つかるのかと、ハラハラドキドキのサスペンスで盛り上がる。やっぱり操船の場面が詳細でリアルだし、児童文学のわりに手に汗握る海洋冒険小説であった。