三国志や三国志演義のあちこちに突っ込みを入れまくりながらギャグと散りばめた三国志パロディ。
本書にかかれば劉備軍団は魔性の勘で危機を生き延びてきたやくざ集団だし、劉備はいい人づらをしている忠義ぶりっこ(いい人づらで騙される人間もいる(笑))、張飛は嗜虐的な戦闘マシーン、主人公の孔明は自己演出とハッタリと宇宙論でひとを煙に巻く変態(作者の言うところによる)である。
本作では三国志の白眉、赤壁の戦いが中心になる。呉にとって放浪の劉備軍団と連携することにメリットはないが、そこは孔明の舌先三寸で呉を丸めこもうとする。呉の人間はなぜか「仁義なき戦い」風に広島弁でしゃべっているが、その中、一人だけ爽やかに標準語を話すのが清爽な美青年武将、周瑜。孔明を一目見て殺意を抱くくらいに慧眼の持ち主だが、やっぱり孔明が手玉に取ってしまうあたりが何とも痛快だ(笑)。