椎名林檎が音楽監督を担当した蜷川実花監督作品「さくらん」のサントラ、のようなものらしく、映画内で使われた楽曲(椎名の過去曲など)の別バージョンなどで構成されているとか。
猥雑でパワフルな表現力は嫌いではなかったものの、椎名林檎の大ファンだったわけではない。本作に興味を持ったのは、BS日テレの旅番組「ホテルの窓から」のオープニングテーマに「錯乱」が使われていたから。ビッグバンドをバックにパワフルに歌っているのは椎名林檎ではなかろうかと思って検索してみたら果たしてそうだった。
何しろかっこいいのである。バイオリスト・編曲家の斎藤ネコが担当したと思われるビッグバンドアレンジやオーケストレーションはゴージャスで、迫力のボーカルとがっぷり四つ。
そして、改めて椎名林檎の凄みを知る。幕恋女から可憐な少女までを表現する歌声は、歌唱力は言うまでもなく、女優のような演技力を感じさせるのである(何を今更だけれど)。まったく面白い才能があったものだなぁ。
ファンの評価は分かれるようだが、自分的には椎名林檎の多彩な魅力に触れられて、何ともお得な感じの名盤である。
それにしても、なぜBS日テレはおしゃれな旅番組に錯乱を使おうなんて思ったのかしらん(笑)。
錯乱