本・花・鳥(ほん・か・どり)

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ブラスの祭典2/シエナ・ウィンド・オーケストラ(佐渡裕指揮)

高校の頃に少しだけトロンボーンの経験があるせいか(グレン・ミラーへのミーハーから(笑))、吹奏楽からジャズ、ファンクに至るまで、ブラスが好物である。本作は日本の吹奏楽団の最高峰を佐渡裕が指揮たしものであるから、もう何をか言わんや、全編気持ちよく管楽器が鳴り渡っている傑作だ。

一番聞きたかったのはM1の「オリンピック・ファンファーレとテーマ」。ジョン・ウィリアムズがロス五輪のために作曲したもので、今でもオリンピック関連の番組で耳にすることが多い名曲である。きらびやかな響きに血湧き肉踊るの感(笑)。

その後、ネリベル「2つの交響的断章」などやや難解な楽曲が続く。難解なのに昨今は吹奏楽コンクールで演奏されるようだが、交響的断章というくらいで、管弦楽団かと思うくらいに豊かな音だ。木管を弦楽のように響かせているのだろうか。

しかししかし、もっとも印象に残ったのは「エルザの大聖堂への行列/ワーグナー」や「ロンドンデリーの歌」である。人の声が歌っているようなたおやかな調べが幾層にも重なりあって、何とも心に沁み入るのである。

きらびやかで勇壮な響きが吹奏楽の魅力であることは間違いない。しかし、静かでゆったりしたメロディを美しく響かせるのは、アップテンポの勇壮な曲を演奏するよりもおそらく技術が必要だと思うのだ(これは歌手も同じで、スローナンバーを歌えてこそ名唱である)。情感豊かなブラスの響きにメロメロだ(笑)。

名手の集まりであるシエナは、そして佐渡裕の指揮はやはり凄い!と思わせる快作であった。M1聴きたさに買ったCDだが、ブラスの祭典も欲しくなってしまったなぁ・・・。


上記アフィリリンクでは試聴がありませんが、下記の盤なら試聴できます。
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